crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

2024-09-23 スクリーンショット 2024-09-23 8.30.37StanfordReport 記事へのリンクを追記
"Kit makes CRISPR education affordable and accessible" 2024-09-17. 
https://news.stanford.edu/stories/2024/09/making-crispr-education-affordable-and-accessible
 スタンフォード大学の学部生が開発した安価なキット [CRISPR KIT Webサイト: 一部を右図に引用]によって、高校の教室にて遺伝子編集技術を実践することが可能になった。

2024-08-10 初稿
[出典] "A frugal CRISPR kit for equitable and accessible education in gene editing and synthetic biology" Collins M, Lau MB [..] Qi LS. Nat Commun. 2024-08-03. https://doi.org/10.1038/s41467-024-50767-2 [所属] Stanford U, Chan Zuckerberg Biohub – San Francisco, Chinese International School, East Chapel Hill High School

 生命科学、生物工学、合成生物学における公平で利用しやすい教育は、次世代の科学者を育成し、公的な意思決定における透明性を育み、バイオテクノロジーが幅広い人々に恩恵をもたらすことを保証するために極めて重要である。一方で、ゲノム工学の画期的な技術として、CRISPRは研究と治療法を一変させたが、CRISPR実験には膨大なリソースが必要なため、教育現場でこの技術に実際に触れる機会は依然として限られている。そこで、 Lei S. Qiの研究チームが、高校における遺伝子の編集と制御の教育に向けて、手頃な価格のキットである"CRISPRkit"を開発した

 CRISPRkitは、特別な装置を必要とせず、バイオセーフティーを優先し、費用対効果の高い試薬を利用している。CRISPRiによる遺伝子の制御、カラフルな染色体タンパク質、無細胞転写-翻訳システム、スマートフォンを用いた定量化、および研究チームが開発した自動化アルゴリズム(CRISPectra)を統合することで、CRISPRKitは、従来の実験室で見られてきたような設備を必要とせず、CRISPR実験の実行と分析に安価(~2ドル)でユーザーフレンドリーなアプローチを提供する。

 高校生が教室で行った実験において、CRISPRKitによる信頼性の高いCRISPR実験が可能なことが実証された。さらに、CRISPRkitはゲノム工学のためのモジュール式で拡張可能なプラットフォームとしても利用可能であり、蛍光タンパク質やメラニン産生などの代謝経路の制御への応用が、実証されている。

 研究チームは、CRISPRkitが多様な社会経済的、地理的背景を持つコミュニティのバイオテクノロジー教育を促進することを想定している。

[図表一覧]
[CRISPR学習コース関連crisp_bio記事] ブログタグ #カリキュラム からの一例
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット