crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] REVIEW "Systems-Level Modeling for CRISPR-Based Metabolic Engineering" Cardiff RAL, Carothers JM, Zalatan JG, Sauro HM. ACS Synth Biol 2024-08-09. https://doi.org/10.1021/acssynbio.4c00053 [所属] UW Seattle.

 CRISPR-Casシステムは、ガイドRNAによる標的遺伝子の活性化・抑制を利用することで、洗練された多重な遺伝子を対象とする代謝工学プログラムの開発を可能にしたが、微生物系における生合成経路を最適化するためには、転写プログラムの設計と実施に情報を提供するモデルの改良が必要である。

 近年、標的とする遺伝子の同定と、ガイドRNAの活性予測を目的とするモデリング手法が開発されてきた。ゲノムスケールおよびフラックスバランス解析モデルは、コンビナトリアルCRISPRiを用いて生合成生産収率を向上させるためのターゲットの同定に応用され、成功を収めている。プログラム可能でダイナミックなCRISPRaのためモデリングの出現は、これらの工学的能力をさらに前進させることが期待される。適切な標的が同定されれば、ガイドRNA予測モデルを利用して、遺伝子ターゲティングの有効性を高めることにつながる。

 モデリングを強化し、機械学習のアプローチを取り入れることで、現在の限界を克服し、代謝工学のためのCRISPR-Cas9ツールの能力を大幅に拡大できる可能性がある。

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