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[出典] "Integrated CRISPR/Cas12a with terminal protection strategy for homogeneous protein assay" Xie L [..] He Y. Sens Actuators B Chem. 2024-08-14. https://doi.org/10.1016/j.snb.2024.136462 [所属] Key Laboratory of Quality and Safety Control of Citrus Fruits (Southwest U), Laboratory of Quality & Safety Risk Assessment for Citrus Products (Chongqing)

 CRISPR-Cas12aの「標的DNAの存在下でssDNAの非選択的切断が活性化される」トランス切断活性をベースとするバイオセンサーは、核酸アッセイに続いて、タンパク質のアッセイにも展開されてきた。Cas12aによるタンパク質検出には、アプタマーの構造変化を介したCas12aの活性化とアクチベーターDNAの放出や抗体を結合したアクチベーターが利用されてきたが、中国の研究チームは今回、CRISPR-Cas12aを利用しながらよりシンプルなプロセスで汎用的で高精度なタンパク質アッセイ法の開発を目指した。

 一方でこれまでに、低分子で標識したssDNAが標的タンパク質に特異的に結合した後、エキソヌクレアーゼI(Exo I)による分解から保護される「末端保護(terminal protection: TP)」という現象が知られていた。研究チームは、末端保護の系における低分子部分を標的タンパク質の選択的捕捉に利用し、ssDNAをトランス切断の基質とすることで、CRISPR-Cas12aシステムのガイドRNA(crRNA)とアクチベーターの合理的な配列設計を回避し、プロセスを簡素化したシステムCasTPを開発した。

 CasTPでは最初に、3'末端に低分子で標識した一本鎖DNA(ssDNA)をアクチベーターとして設計し、標的タンパク質に反応させ、Cas12aのアクチベーターとして機能させた [グラフィカルアブストラクト参照]
  • 標的タンパク質が存在しない場合、末端を保護されていないアクチベーターはエキソヌクレアーゼI(Exo I)によって効果的に切断され、Cas12aのトランス切断活性が起動されず、検出溶液中の蛍光が低下する。
  • 一方で、標的タンパク質が存在すると、標的タンパク質とアクチベーターの低分子との特異的結合により、アクチベーターがExo Iによる消化から保護され、Cas12aのトランス切断活性が起動され、レポーターからの蛍光が増強される。
  • ストレプトアビジン(SA)を標的タンパク質のモデルとしたる概念実証実験において、SAとビオチン標識ssDNAとの特異的かつ高親和性の結合により、SAがExo Iによる分解から保護され、残った無傷のビオチン標識ssDNAを介してCas12aのトランス切断が活性化され、強い蛍光が生じ、また、SA濃度が上昇すると、検出溶液の蛍光は上昇することを、確認した。
  • 続いて、多くの悪性腫瘍(肺がん、卵巣がん、乳がん、骨髄性白血病など)に関連するバイオマーカーである葉酸受容体を標的タンパク質として選択し、CasTPの汎用性を実証した。ここでは、葉酸受容体を検出するために、アクチベーターに標識された低分子を葉酸に置き換えただけである。
 末端保護イベントをCRISPR/Cas12a活性化のトリガーに変換するこの新規戦略は、バイオセンシング分野におけるCRISPR/Cas12aシステムの進歩を促進するだけでなく、分子診断、薬剤スクリーニング、生物医学研究への応用を広げるものである。

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