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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] Review "Editing microbes to mitigate enteric methane emissions in livestock" Khan FA [..] Pandupuspitasari NS. World J Microbiol Biotechnol. 2024-08-13. https://doi.org/10.1007/s11274-024-04103-x [所属] Research Center for Animal Husbandry, Department of Animal Science (U Diponegoro), Institute of Reproductive Medicine (Nantong U), nstitute of Animal and Diary sciences (Agriculture U), Quaid-i-Azam U;インドネシア、中国、およびパキスタンの研究チームによる参考文献リスト3頁を含む17頁のレビュー

 畜産は温室効果ガス( greenhouse gas: GHG)排出、特にメタン(CH4)排出に大きく寄与しており、気候変動に影響を与えている。この問題にさらに取り組むためには、反芻動物の生産性を高める、特にウシ、ヒツジ、ヤギからのGHG排出を最小限に抑える戦略を確立することが極めて重要である。

 最近の進歩により、メタン(CH4)産生を減少させるための遺伝子選択、およびCRISPR/Cas9、TALEN、ZFN、RNAi、プライム編集(PE)、塩基編集(BE)などのゲノム編集技術によるルーメン内の微生物生態系の調節が、戦略として有効なことが明らかになってきた。これらの技術は正確な遺伝子改変を可能にし、環境への影響を低減し、代謝経路を最適化する形質を強化する機会を提供する。さらに、さまざまな栄養学関連の対策が、程度の差こそあれ、メタン排出の抑制に有望であるとが示された。

 本総説は、CRISPR/Cas9技術を活用してルーメン内のマイクロバイオームを工学的に制御することで、反芻動物からのメタン排出を削減する未来志向の視点を提示することを目的とする。最終的な目的は、動物の健康と生産性を維持しながら、メタン排出を効果的に減少させる持続可能な畜産方法を開発することである。

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