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[出典] "Structure and repair of replication-coupled DNA breaks" Pavani R, Tripathi V [..] Nussenzweig A. Science 2024-06-20. https://doi.org/10.1126/science.ado3867 [所属] NCI/NIH, Harvard Medical School, Frederick National Lab for Cancer Research, Shanghai Institute of Biochemistry and Cell Biology, U della Svizzera italiana (Switzerland), HHMI. 

 米国に中国とスイスが加わった研究チームが、CRISPR-Cas9ニッキング酵素を用いて、内在性DNA損傷の最も一般的な形態の一つである一本鎖切断と複製機構の相互作用を調べた。その結果、リーディング鎖の切断 (ニック) 部位において複製フォークが崩壊し、切除されたシングルエンド二本鎖切断(single-ended double-strand breaks: seDSB)が生成され、これが、相同組換え(HR)によって修復されることを発見した。

 これらのseDSBが速やかに修復されない場合、隣接するフォークの到着によってダブルエンドDSB( double-ended DSBs: deDSBs)が生じ、HRが欠損している癌細胞ではゲノムに傷跡(scar)が残る可能性がある。deDSBはまた、複製フォークがラギング鎖のニックを迂回する際に直接生成されることもある。

 複製とは無関係に生じるdeDSBとは異なり、ニックによって誘導されるseDSBやdeDSBにおける末端切除はBRCA1には依存しない。それにもかかわらず、BRCA1は53BP1によるRAD51フィラメント形成の抑制に拮抗する。これらの結果は、複製フォークの安定性を維持する独特のメカニズムを浮き彫りにしている。
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