2025-06-28 Nature Biotechnology 冊子体での書誌情報を追記:Nat Biotechnol. 43, 865–867 (June 2025).
2024-09-01 初稿
[出典] News & Views "Genome editing with DNA-dependent polymerases" Cowan QT, Komor AC. Nat Biotechnol. 2024-08-23. https://doi.org/10.1038/s41587-024-02372-3 [所属] UCSD
2024-09-01 初稿
[出典] News & Views "Genome editing with DNA-dependent polymerases" Cowan QT, Komor AC. Nat Biotechnol. 2024-08-23. https://doi.org/10.1038/s41587-024-02372-3 [所属] UCSD
DNA依存性DNAポリメラーゼを利用したゲノム編集法、DNA polymeraze editors(DPEs)とclick editors(CEs)、が紹介され、DPEsとCEsがPEsの限界を超える可能性が示唆された:
- 2023-09-29 DNA依存性DNAポリメラーゼと外因性DNAを帯びたテンプレートを利用する標的ゲノム編集 'Phi29 DPE';"Targeted genome editing with a DNA-dependent DNA polymerase and exogenous DNA-containing templates" Liu B, Dong X, Zheng C [..] Xue W, Sontheimer EJ. Nat Biotechnol. 2023-09-14/2024 July.
- [20240723更新] DNA依存性DNAポリメラーゼ/ssDNAテンプレート/HUHエンドヌクレアーゼをベースにCLICK EDITORを開発; "Click editing enables programmable genome writing using DNA polymerases and HUH endonucleases" Da Silva JF, Tou CJ [..] Kleinstiver BP. Nat Biotechnol. 2024-07-22.
- 参考図:Fig. 1: Schematic of prime editors (PEs), DNA polymerase editors (DPEs) and click editors (CEs).
[詳細]
CRISPR-Cas9によるヒト細胞における遺伝子編集が2012年に発表されて以来、世界中の研究室がその改良を模索してきた。2019年に開発されたプライムエディター(PE)は、逆転写酵素とRNAテンプレートとともにCas9ニッカーゼを利用することで、Cas9ヌクレアーゼに伴う遺伝毒性を持つ二本鎖切断(DSB)と内因性DNA修復経路への依存を回避しつつ、小規模なゲノム編集を実現した。しかし、PEには、複雑な構造のプライム編集ガイドRNA(pegRNA)の不安定性や柔軟性に乏しいこと、高い効率を達成するためにpegRNAの広範な最適化が必要なことなど、独自の限界がある。Nature Biotechnology誌に最近掲載された2つの論文は、DNAテンプレートDNAポリメラーゼをゲノム編集に応用するシステムを用いることで、精密なゲノム編集をより容易に行うための新しいアプローチの可能性を示した。
PEは、DSBを回避する代わりに、フラップを含む中間体を利用することで、ゲノムDNAにあらゆるタイプの小規模な編集(1塩基置換、〜1〜40bpの挿入、〜1〜80bpの欠失)を正確に実現することができる。
PEはすでに基礎科学や治療への応用に広く使われているが、編集効率の向上が課題であり、その解決法が多数報告されている:ニッキング・ガイドRNAの使用(このアプローチでは標的部位に不要なindelが生じるため、トレードオフとして精度が低下する);ミスマッチ修復を阻害するためにDNA修復経路を調節する;pegRNAの3’末端を保護することでpegRNAの分解を抑制;プライマー結合部位とスペーサーのアニーリングを防ぐためにプライム編集テンプレートを別のRNA分子に分割することでペグRNA固有の自己相補性を抑制;分解を防ぎペグRNAのフォールディングを促進するために内因性小分子RNA結合タンパク質を利用する。
また、大規模な配列を正確に挿入する課題については、twinPE [crisp_bio 2021-12-12]やPASTE [crisp_bio 2024-02-16 https://crisp-bio.blog.jp/archives/30891443.html]のような多段階技術によって対処されてきた。大量挿入の効率が著しく低い正確なメカニズムは完全には解明されていないが、逆転写酵素の処理能力やdNTPに対する親和性の低さが一役買っているのではないかと推測されている。最近、ヌクレオチド代謝を調節すると、造血幹細胞や前駆細胞のようなヌクレオチドレベルの低い静止細胞において、PE(逆転写)が改善されることが示された [crisp_bio 2024-05-30]。さらに、PEを研究室で日常的に実用に供する際に、各標的部位に固有の編集効率を最適化するために、編集ごとに多くのpegRNAをデザインし、テストする必要があることが、大きな問題になっている。効率的なpegRNAを予測する計算機的手法が提案はされているが、、生産性の高いpegRNAを一貫して示唆する力をまだ欠いている [crisp_bio 2022-11-08]。
PEの鍵を握っている逆転写酵素をDNA依存性ポリメラーゼに置き換えることで、いくつかの改善の機会が得られる。DPEsとCEsは、pegRNAの3′伸長部分の保護、pegRNA最適化の手間のかかるプロセス、pegRNAの自己阻害活性(プライマー結合部位がスペーサーにアニールする性質があり、これは編集には非生産的である)など、PEのいくつかの限界に対する潜在的な解決策を提供する。
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