[出典] "Polymer-locking fusogenic liposomes for glioblastoma-targeted siRNA delivery and CRISPR–Cas gene editing" Zhao Y, Qin J [..] Meng X, Jiang C, Cai J. Nat Nanotechnol. 2024-08-29. https://doi.org/10.1038/s41565-024-01769-0 [所属] The Second Affiliated Hospital of Harbin Medical U, he Sixth Affiliated Hospital of Harbin Medical U, Nankai U, Cornell U (兼任).
膠芽腫(GBM)患者において、ミッドカイン(midkine: MDK)の発現亢進により、テモゾロミド https://ja.wikipedia.org/wiki/テモゾロミド(TMZ)に対する耐性が誘導される。MDKの発現を抑制するアプローチとして、RNA干渉(RNAi)とCRISPR-Cas9遺伝子編集技術が魅力的である。しかし、これらの生物製剤をGBM組織に送達することは困難である。
中国の研究チームが今回、siRNAやCRISPR-Cas9 RNPを、血液脳関門(BBB)を通過してGBM細胞の細胞質に送達可能とする「ポリマーロック融合性リポソーム(Polymer-locking fusogenic liposomes [*]: Plofsome)」を設計・実証した。Plofsomeは、痕跡を残さず(traceless)活性酸素種(ROS)によって切断されるリンカーをベースとする「ロック(lock)」を融合性リポソームに組み込むことで、BBBを通過し、ROSレベルの高いGBM組織に届いた場合に限り、膜融合が起こるように設計されている。
Plofsomesを介したMDK抑制は、同所性脳腫瘍モデルにおいて、TMZ耐性を有意に低下させ、GBMの増殖を抑制することが示された。
PlofsomesはGBM部位でのみ有効であり、正常組織では有効でないことであり、RNAiとCRISPR-Cas9を組み合わせたGBM治療法の安全性向上に貢献する。
[*]
"Fusogenic Liposomes as Nanocarriers for the Delivery of Intracellular Proteins" Kube S, Hersch N, Naumovska E et al. Langmuir 2017-01-06;リポソームは通常エンドサイトーシスを介して細胞に取り込まれ、標的に到達する前に、リソソームでカーゴの主要部分が分解される。融合性リポソームを利用すると、哺乳類細胞に接触した際に融合性リポソームの膜が細胞形質膜と効率的に融合し、カーゴが分解されることなく、細胞質内へと送達される [グラフィカルアブストラクト参照]。
コメント