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[注] 染色体の切断-融合-架橋サイクル:breakage-fusion-bridge (BFB) 
[出典] "Elucidation of the molecular mechanism of the breakage-fusion-bridge (BFB) cycle using a CRISPR-dCas9 cellular model" Singh M, Raseley K [..] Zhang D. Nucleic Acids Res. 2024-08-28. https://doi.org/10.1093/nar/gkae747 [所属] New York Institute of Technology, Drexel U, Drexel U College of Medicine, Albert Einstein College of Medicine.

 多くの腫瘍で染色体不安定性(chromosome instability: CIN)が頻繁に観察され、腫瘍形成と腫瘍進化におけるCINの主要な推進因子の一つがBFBサイクルであると提唱されている。最近では、Shoshaniらが培養がん細胞株を用いて、BFB周期とクロモトリプシスが腫瘍の急速な進化に寄与し、化学療法に抵抗性をもたらすことを示した [Nature, 2021]。しかし、BFBサイクルの個々のステップの機構の詳細は不明である。

 米国の研究チームが今回、テロメア特異的sgRNA(sgTelo)にヌクレアーゼ欠損Cas9(dCas9)を結合したツールを介して、BFBサイクルのモデルを構築することに成功し、BFBサイクルがCINをもたらす分子機構に光を当てた。
  • まず、sgTeloを用いてdCas9をテロメアに標的化すると、テロメアでのDNA複製が阻害され、複製ストレスとDNA損傷が顕著に増加することを確認した [Figure 1引用右下図参照]。
  • 続いて、Single-Molecule Telomere Assay via Optical Mapping (SMTA-OM) [*]を用いて、dCas9/sgTelo細胞におけるテロメアと染色体末端のゲノムワイドな変化を徹底的に分析した。
  • その結果、fusion/ITS (Interstitial Telomeric Sequences)+やfusion/ITS-を含む染色体末端の融合が劇的に増加することを観察した。
  • 一貫して、二動原体染色体、娘細胞間をDNAが架橋するアナフェーズ・ブリッジ、細胞間テロメア染色体ブリッジ(intercellular telomeric chromosome bridge: ITCB)の形成の増加も観察された。 A diagram of the breakage-fusion-bridge cycle.
 ITCBの多くの興味深い分子的・構造的特徴も、dCas9/sgTeloシステムを利用することで明らかになった:cNHEJ、HDRおよびBIR( break-induce replication)がdCas9/sgTelo細胞におけるITCBの形成を促進するが、TMEJ(DNA polymerase theta (Pol θ)-mediated end joining)はそれを阻害する;dCas9/sgTeloモデルにおけるITCBの多くが、アクトミオシン依存性の機械的伸長によって切断される [Figure 1 引用挿入図参照]
 本研究は、BFBサイクルの分子機構に新たな光を当て、腫瘍形成、腫瘍の進化、薬剤耐性についての理解を深めるものである。

[*] 
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