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[出典] 
 現在知られているヒトの遺伝性疾患の約60%は塩基の変異によって引き起こされる。CRISPRをベースとする塩基エディター(BEs)は、ヒトゲノムの標的部位において、二本鎖DNAの切断を伴わずに高効率で一塩基を変換することが可能であり、一塩基変異疾患を治療する遺伝子治療の可能性を秘めている。現在最も広く使用されている塩基エディターは、C-GをT-Aに変換するシトシン塩基エディター(CBE)と、A-TをG-Cへ変換するアデニン塩基エディター(ABE)である。しかしながら、SpCas9ニッカーゼ(D10A)をベースとする塩基エディターは、そのサイズがAAVのパッケージング限界である約4.7 kbよりも大きいため、単一のAAVで送達することができなかった。

 最近、Cas12f、Cas12m、Cas12n、TnpB、IscB、Fanzorなどの一連のコンパクトなRNAガイドヌクレアーゼが発見され、ゲノム編集に利用されている。Un1Cas12f1は529アミノ酸からなるタイプV-F CRISPRヌクレアーゼで、SpCas9(1,368 aa)の39%以下のサイズであり、TTTR(R=A/G)プロトスペーサー隣接モチーフを持つ二本鎖DNA(dsDNA)のターゲットを切断する。

 Un1Cas12f1由来の塩基エディターdCasMINI(D143R/T147R/K330R/E528R)-ABEは、哺乳類細胞において、調べたゲノム部位において10%以下の効率であり、遺伝子治療への応用には不十分であったが、Un1Cas12f1-sgRNA-dsDNAの高分解能結晶構造により、Un1Cas12f1を効率的な塩基エディターとして機能させることが可能になった [*]

 中国の研究チームは今回、Un1XCas12f1に特定の変異(D143R/T147R/T203R/E206R)を導入することで、Un1Cas12f1と標的DNAとの相互作用が増強された。その結果、この4重変異体(dUn1Cas12f1QM)の塩基編集効果が向上することが明らかになり、コンパクトで高効率の塩基編集酵素UminiBEs(UminiABEとUminiCBE)を樹立するに至った。続いて、UminiABEsまたはUminiCBEsのデアミナーゼのN末端に非特異的なdsDNA結合タンパク質Sso7dを融合させることで塩基編集の効率をさらに向上させたSUminiABEsSUminiCBEsを作出した。

 研究チームはまた、sgRNAスキャフォールドを最適化してサイズを小さくし、塩基編集効率をさらに向上させることにも注力した。sgRNAの必須でない領域を切り捨てることで、高い編集効率を維持したまま、よりコンパクトなバージョンに至り、STUminiBEsと呼ばれる最適化されたエディターは、A-to-GおよびC-to-T変換効率がそれぞれ平均54%および45%という驚くべき結果を達成した。

 さらに、設計されたベースエディターの1つであるSTUminiCBEをAAVにロードし、HEK293FT細胞でPCSK9遺伝子への未成熟終止コドンの導入を実証し、標的部位におけるC-T変換効率63.52%に至り、臨床応用への可能性が示された。

 一方で、この研究は、対処すべき重要な疑問や課題も提起した。STUminiBEで観察されたオフターゲット効果は、さらなる改良と最適化に必要なことを、示した。さらに、これらのシステムの編集効率は、異なるゲノムの状況によって異なる可能性がある。今後の研究では、sgRNAの設計を最適化し、オフターゲット効果を最小化し、これらのエディターの特異性を高める戦略を探ることが求められる。

[Un1Cas12f1 (Cas14a1)関連crisp_bio記事]
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