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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

2024-11-17 Cell Host & Microbe 誌刊行のNature 論文紹介記事へのリンクを追記
[出典] PREVIEW "If you can’t beat them, join them: Anti-CRISPR proteins derived from CRISPR-associated genes" Mo CY. Cell Host Microbe 2024-11-13. https://doi.org/10.1016/j.chom.2024.10.009 [所属] U Wisconsin-Madison

 バクテリオファージは、CRISPR-Cas防御システムによるターゲティングを回避するための数多くのメカニズムを進化させてきた。しかしながら、これらのいわゆる「抗CRISPR」の進化的起源については、まだよくわかっていない。Naturem誌から出版された論文は、いくつかの抗CRISPRがCRISPR-Casシステムの遺伝子そのものに由来するという証拠を提示している。

2024-09-10 Nature 論文に準拠した初稿
[出典] "Diverse viral cas genes antagonize CRISPR immunity" Katz MA, Sawyer EM [..] Meeske AJ. Nature 2024-09-04. https://doi.org/10.1038/s41586-024-07923-x [所属] U Washington (Seattle), UCSF.

 原核生物のCRISPR-Cas免疫は、抗CRISPR(Acrs)によって阻害される。Acrsは、ファージの溶菌サイクルにおいて、原核生物のゲノムから発現されたCasタンパク質の活性を阻害したり、内在性プロファージやプラスミドから発現されたCasタンパク質の活性を阻害したりする。Acrはしばしば特定のCasタンパク質に結合するため、阻害は通常単一のCRISPR-Casサブタイプに限定される。Acrをコードする遺伝子は、ファージ関連遺伝子クラスターにまとまって存在することが多いが、このような阻害因子がどのように進化してきたかは不明であった。

 米国の研究チームが今回、4種類のCRISPR-Casシステム(I-B、II-A、II-C、VI-A)を天然に保有するリステリア菌の分離株おけるAcr含有量と阻害特異性を調べた。その結果、CRISPRの広範な拮抗作用が観察され、その遺伝子ファミリーは、これまで知られていなかった11の遺伝子ファミリーと、内在性可動遺伝因子にコードされる既知の4つのAcr遺伝子ファミリーに特定された。

 これらの中には、タイプI-B Casタンパク質と配列相同性を持つ2つのAcrがあり、そのうちの1つは欠陥のある干渉複合体( interference complex)を形成していた。驚くべきことに、I-B型CasホモログはタイプI 免疫には影響を与えず、CRISPR RNA(crRNA)の分解によってRNA標的化タイプVI CRISPRシステムを阻害した。

 ウイルスの配列データベースをプローブすることにより、研究チームは、推定される抗・防御遺伝子クラスター内に位置する豊富なオーファンcas 遺伝子を検出した。その中で、特にサブタイプ I-B、II-A、およびVI-Aと広汎なCRISPR免疫阻害を示すcas3 相同遺伝子の活性を確認した。

 今回の発見は、cas  遺伝子を取り込んだAcr進化の直接的な証拠であり、ゲノム編集技術を広範囲に制御する可能性を持つ新しい遺伝子の発見である。
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