crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] SAVED(SMODS-associated and fused to various effector domains)
[出典] "Filament formation activates protease and ring nuclease activities of CRISPR Lon-SAVED" Smalakyte D [..] Tamulaitis G. Mol Cell. 2024-10-02. https://doi.org/10.1016/j.molcel.2024.09.002  [所属] Vilnius U.
[構造情報]
  • EMDB 50054, 50055, 50056 / PDB 9EYK  Cryo-EM structure of SAVED-Lon protease CCaCalpL filament bound to A4>p
  • EMDB 50054, 50055 / PDB 9EYJ  Cryo-EM structure of SAVED-Lon protease CCaCalpL filament bound to cA4
  • EMDB 50054 / PDB 9EYI  Cryo-EM structure of SAVED-Lon protease CCaCalpL filament bound to A4p
 CRISPR-Casシステムの中で、タイプIIIは、環状オリゴアデニル酸(cAn)シグナルを利用して様々な補助的エフェクターを活性化することで、ファージ感染に対抗する。その中にCRISPRに関連するLon-SAVEDプロテアーゼCalpLがあり、CalpLは抗σ因子CalpT、ECF様σ因子CalpSとともに三者エフェクターシステムを形成することが明らかにされ、CalpL-CalpT-CaslpSを介した抗ファージ免疫応答のモデルが提唱されている [*]

 リトニアの研究チームが今回、Candidatus Cloacimonas acidaminovorans Evry株(CCa)のタイプIII-A CRISPR-Cas関連CalpL-CalpT-CalpSエフェクターシステムの分子機構を詳らかにした [グラフィカルアブストラクト 参照]。

 cA4結合が引き金となってCalpLフィラメントが形成され、ひいては、CalpT-CalpS二量体内のCalpTが切断される。この切断によりCalpTのC-デグロンが露出し、細胞内プロテアーゼによる分解の標的となる。その結果、CalpSは遊離してRNAポリメラーゼに結合し、大腸菌の増殖停止を引き起こす。

 CalpL-CalpT-CalpSシステムは、CalpLのSAVEDドメインによって制御されているが、SAVEDドメインはリングヌクレアーゼであり、cA4を順次3段階のメカニズムで切断する。

 本研究は、タイプIII CRISPR-Cas免疫システムにおけるシグナル伝達カスケードの活性化、タンパク質分解イベント、制御に関する重要な分子機序を詳らかにした。

[*]
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット