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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[出典] "Mutation-Specific CRISPR Targeting with SaCas9 and AsCas12a Restores Therapeutic Sensitivity in Treatment-Resistant Melanoma" Sansbury BM [..] Kmiec EB. CRISPR J. 2024-10-10. https://doi.org/10.1089/crispr.2024.0003 [所属] Gene Editing Institute  https://geneeditinginstitute.com/home (ChristianaCare Health System), U Delaware

[背景]

 メラノーマは、効果的な治療が最も困難な癌の一つであり、主に活性化BRAF遺伝子変異による薬剤耐性が常に懸念されている。BRAF 遺伝子の変異は患者の約50%に認められ、その90%はV600Eである。切除不能または転移性のBRAF V600Eメラノーマの治療には、2種類のフロントラインBRAF 阻害剤(BRAFi)、ゼルボラフ(ベムラフェニブ)とタフィンラー(ダブラフェニブ)、が頻繁に使用されている。これらの初期の奏効率は高いが、投与後1年以内に70~80%の患者が治療抵抗性を示す。耐性の主なメカニズムは、NRAS 遺伝子における二次的なQ61K変異の発生である。

[成果]

 米国デラウエアの研究チームは、2種類のCRISPR-Cas RNPを利用して、腫瘍細胞における標準治療耐性を可能にする変異遺伝子と健常細胞の正常ゲノムを識別可能とするアプローチを開発し、初めて、BRAFV600E/耐性A375細胞においてBRAFi感受性を回復させることに成功した。具体的には、NRAS 遺伝子のQ61K変異によって生成されるAsCas12aのプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)部位を利用し、また、SaCas9 sgRNAの重要なシード領域におけるQ61K変異を利用した。

 本研究で実証された2種類のアプローチによって、病因変異に特異的かつ効率的な編集が可能となり、また、健常細胞のゲノムに対するオンターゲットおよびオフターゲット損傷の懸念のない安全なメラノーマ治療法の可能性が広がった。
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