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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "A biodegradable lipid nanoparticle delivers a Cas9 ribonucleoprotein for efficient and safe in situ genome editing in melanoma" Yang X, Zhou S [..] Dong Y, Zeng Y, Luo J. Acta Biomater. 2024-10-24. https://doi.org/ 10.1016/j.actbio.2024.10.030 [所属] State Key Laboratory of Biocatalysis and Enzyme Engineering (Hubei U), Chengdu Medical C

 中国の研究チームが今回、メラノーマモデルマウスの治療を目的として、マウスBraf遺伝子を標的とするCas9 RNPを経皮経由で効率的に送達する多機能カチオン性LNPを設計した。メラノーマの場合、経皮経由のRNP投与によって、毒性を最小限に抑制可能であるが、皮膚バリアの問題に直面する。新設計のLNPは、新たに合成されたポリマーであるデオキシコール酸(DOA)修飾ポリエチレンイミン(PEI-DOCA)の添加により正電荷を帯びており、それによって、負電荷を帯びた細胞膜やタンパク質と結合し、LNPは生体内へと送達可能になり、ひいては、効率的な皮膚浸透が促進される。

 Brafを標的とするCas9 RNPを担持したLNPは、メラノーマ細胞における遺伝子編集に顕著な影響を及ぼし、その増殖を著しく抑制した。さらに、マウスin vivo実験においても、LNPは皮膚浸透性と腫瘍ターゲティング能力を示した。
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