[出典] "CRISPR-GRIT: Guide RNAs with Integrated Repair Templates Enable Precise Multiplexed Genome Editing in the Diploid Fungal Pathogen Candida albicans " Cotter CJ, Trinh CT. CRISPR J. 2024-10-22. https://doi.org/10.1089/crispr.2024.0052 [所属] U Tennessee
日和見真菌病原体であるカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)は、免疫不全患者に重篤な感染症を引き起こす。現在使用されている抗真菌薬の種類は限られており、また、その過剰使用により抗真菌薬耐性が急速に出現している。従って、新しい抗真菌戦略を開発するためには、真菌病原体の遺伝学を理解することが急務である。
現在、C. albicans 遺伝子の機能を大規模に解明するためのゴールドスタンダードはGRACEライブラリー [Molecular Microbiology, 2003 ; Nat Commun, 2021]である。GRACEライブラリーには、全ORF数6,198のうち3,193をカバーする条件付きノックアウト株が含まれている貴重な研究資源であるが、ゲノムワイドの解析には、さらに、3,000株近くのコンディショナルノックアウト株を構築する必要がある。また、このライブラリーでは単一遺伝子破壊しか利用できないため、遺伝的相互作用の研究や合成致死ペアの同定はできない。
C. albicans における遺伝的相互作用を研究する努力は、CRISPR-Cas遺伝子ドライブと交配コンピテントで安定なハプロイド細胞の発見によって最近可能になった。これらの研究では、ハプロイドC. albicans 細胞にCRISPR-Cas遺伝子ドライブを用いて単一遺伝子ノックアウト株を作製し、その後交配して二倍体ダブルノックアウト株を作製する。ハプロイド細胞におけるこのCRISPR遺伝子ドライブ技術は、コンビナトリアル欠失変異体の作製を可能にしたが、大規模なハプロイド株の構築と交配のプロセスには、依然として多大な労力を要する。
C. albicans における遺伝的相互作用を研究する努力は、CRISPR-Cas遺伝子ドライブと交配コンピテントで安定なハプロイド細胞の発見によって最近可能になった。これらの研究では、ハプロイドC. albicans 細胞にCRISPR-Cas遺伝子ドライブを用いて単一遺伝子ノックアウト株を作製し、その後交配して二倍体ダブルノックアウト株を作製する。ハプロイド細胞におけるこのCRISPR遺伝子ドライブ技術は、コンビナトリアル欠失変異体の作製を可能にしたが、大規模なハプロイド株の構築と交配のプロセスには、依然として多大な労力を要する。
米国の研究チームは今回、C. albicans において、修復テンプレートをgRNAに融合させ、gRNAと修復テンプレートを共局在化させ、効率的なCRISPR-Cas編集を行う、修復テンプレート一体型のgRNAであるCRISPR-GRITと(Guide RNAs with Integrated Repair Templates)と称するアプローチを実装した。さらに、CRISPR-GRIT gRNA修復テンプレートの5'末端にtRNAAlaを付加することで、CRISPR-Casの編集効率がさらに向上することを確認した。最後に、CRISPR-GRITの転写ユニットを分離したデザインは、C. albicansの効率的な多重遺伝子ノックアウトに利用できることを実証した。
CRISPR-GRITと多重ノックアウト機能により、合成致死ペアや新規創薬標的を同定するためのハイスループット・ライブラリー・スクリーンや遺伝子相互作用研究が可能になると期待している。
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