1. TECHNOLOGY FEATURE "Scientific figures that pop: resources for the artistically challenged" Heidt A. Nature 2024-10-28. https://doi.org/10.1038/d41586-024-03477-0 [右図はBioRenderのWebサイトの画面キャプチャ][参考] 【新年号特別インタビュー】科学×アートで世界を変える日系カナダ人2世 BioRender設立者・CEO シズカ・アオキさん|2024年新年号特集|アイデンティティーの交錯「カナダ人であり日本人であるということ」TORJA [TORONTO+JAPAN MAGAZINE]. 2024-01-04. https://torja.ca/shizuka-aoki
メリーランド州ボルチモアにあるジョンズ・ホプキンス大学の医学・生物学イラストレーション学科を卒業後、アオキ シズカは長年の夢であった自分の会社を立ち上げた。2010年にカナダのトロントに設立されたAnatomize Studiosは、製薬会社、雑誌、ニッチなニーズと潤沢な予算を持つ医療専門家といった大手クライアントと仕事をしている。しかし、アオキはしばしば個人の研究者からの依頼も受ける。彼らは、論文やプレゼンテーション、アウトリーチ用にビジュアライゼーションを作りたいと考えていたが、複雑な科学を、視覚的に魅力的なものだけでなく、親しみやすいものにまで落とし込むのに苦労していた。
幸いなことに今は、デザインのバックグラウンドがなくても、研究者が魅力的な図や画像を作成することはかつてないほど容易になっている。そのひとつが、アオキが2017年に共同設立したウェブベースのアプリ「BioRender」だ。Adobe Illustratorに似ているが、生命科学者のためのBioRenderには、生物科学に特化した描画ツールと、5万以上の科学的に正確なアイコンのライブラリが含まれている。このリソースや、BioIcons、Reactome、Servier Medical Artを含む他の同様のリソースは、データ可視化と科学的イラストレーションの分野が過去数年でどれほど進歩したか、そして科学者たちがいかに自分たちの仕事を描写し共有するためのツールに飢えているかを示している。
Nature 誌は、洗練されたビジュアルを作成するためのヒントやリソースを得るために、グラフィックデザイナー、科学・医学イラストレーター、ジャーナル・アートディレクターに接触し、「図版を優先する」、「想定する読者を特定する」、「デザインし過ぎない」、「アクセシビリティを考える(インクルーシブにする)」、「AIを使わないまたは控えめにする」の5つの項と、「デザインの基本原則」の囲みにまとめた。
なお、AIについては、アオキを含む他のデザイナーが、「AIをクリエイティブに活用する余地がある」と言う。作家がチャットボットを使って見出しを考えたり、原稿のトーンをチェックしたりするのと同じように、画像ジェネレーターはモックアップの過程で役に立つ。アオキによれば、BioRenderは、ユーザーがテキスト説明(例えば、細胞間相互作用や実験タイムライン)を入力し、下書きの図を得ることができるAIを搭載したツールのベータテストを行っている。アオキは「ここで重要なのは、BioRenderで学習させているデータはインターネット上のランダムなデータではなく、BioRender自身の膨大なアイコンライブラリであるといることです」、「科学的な完全性と正確性は極めて重要なので、これを担保したいのです」と、言う。
米国NIH傘下の国立アレルギー・感染症研究所の部門であるNIAID Visual and Medical Arts Unitが、NIAID Bioinformatics and Computational Biosciences Branch (BCBB)と共同で、図、プレゼンテーション、ウェブサイト、印刷物で、無料で、使用できる生物医学的・科学的アイコンのライブラリを開発し、そのベータバージョンを公開した。パプリックドメインでは自由に利用でき、近々、正式バージョンが公開される。
現時点で、メディカルイラストレーターと生物医学ビジュアライゼーションの専門家が正確に作成した2,000点以上のアイコンが用意されている。

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