[出典] "Structural variation of types IV-A1- and IV-A3-mediated CRISPR interference" Čepaitė R, Klein N, Mikšys A [..] Malinauskaitė L, Pausch P. Nat Commun. 2024-10-29. https://doi.org/10.1038/s41467-024-53778-1 [所属] Vilnius U, Philipps-Universität Marburg, ATEM Structural Discovery GmbH, U Copenhagen, U Paris Cité, Max Planck Institute for Terrestrial Microbiology, Center for Synthetic Microbiology (SYNMIKRO), BioNTech UK Ltd
CRISPRとCRISPR関連タンパク質(Cas)は、細菌やアーケアにおいて、ファージなどの可動遺伝因子(MGEs)に対する適応免疫システムとして発見された。一方、2020年以後、MGEsに内在するCRISPR-Casシステムが相次いで発見されている [*]。その中で、最も広がっているシステムがタイプIV-Aである。
タイプIV-Aは、標的遺伝子の転写を抑制するマルチサブユニットエフェクター複合体とCasDinG(Csf4、以下DinG)ヘリカーゼで構成されている [Fig. 1 (a-c) 引用右図参照]。リトアニア, 独、英、仏、デンマークの研究チームは今回、タイプIV-Aシステムに関連するエフェクター複合体がどのようにしてこの標的DNAの干渉を実現しているのかを理解するために、進化的に異なる2つのタイプIV-A複合体(Pseudomonas oleovorans 由来のタイプIV-A1およびKlebsiella pneumoniae 由来のIV-A3)を対象として、
タイプIV-Aの特徴であるDinGエフェクターヘリカーゼの存在下および非存在下の双方において標的のDNAに結合した状態の構造を、クライオ電顕法による再構成・比較した [再構成された構造についてFig. 1 d, e引用右図参照]。 その結果、エフェクター複合体がどのようにしてプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)と標的鎖DNAを認識し、Rループ構造を形成するかが明らかになった。さらに、タイプ IV-A1とタイプ IV-A3を構成するCasタンパク質が同程度であるにも関わらず、DNA相互作用とDinGのin transリクルートメントを可能にする構造モチーフに違いがあることが、明らかになった。
今回得られたデータは、
タイプIV-A3システムがcrRNAを介してDNAを監視する機序が、Pseudomonas aeruginosa内在のカノニカルなタイプIシステム(Cascade)やタイプIV-A1のそれに類似していることを示唆した [Fig. 9引用右図参照]: DNA結合は、Cas8とCas5によるPAM認識から始まり、Cas7バックボーンに沿った標的鎖(TS)とcrRNAのハイブリダイゼーションを介して、PAMの下流で、Rループ形成につながるdsDNAの局所的な巻き戻しが起こる。DNAの問い合わせと並行して、Cas8とCas7が非標的鎖(NTS)をDinGインターフェイスに向かわせる。Rループが形成されると、NTSはDinGの複合体中心部へのリクルートを促進し、そこでヘリカーゼドメインがNTSに結合する。
タイプIV-A3システムがcrRNAを介してDNAを監視する機序が、Pseudomonas aeruginosa内在のカノニカルなタイプIシステム(Cascade)やタイプIV-A1のそれに類似していることを示唆した [Fig. 9引用右図参照]: DNA結合は、Cas8とCas5によるPAM認識から始まり、Cas7バックボーンに沿った標的鎖(TS)とcrRNAのハイブリダイゼーションを介して、PAMの下流で、Rループ形成につながるdsDNAの局所的な巻き戻しが起こる。DNAの問い合わせと並行して、Cas8とCas7が非標的鎖(NTS)をDinGインターフェイスに向かわせる。Rループが形成されると、NTSはDinGの複合体中心部へのリクルートを促進し、そこでヘリカーゼドメインがNTSに結合する。 タイプIV-Aシステムは、他のクラス1システムの多くと対照的にコンパクトであり、今回得られた構造と機構の知見から、新たなゲノム・エディターのベースとして利用されていくことが期待される。
[構造情報]
- Type IV-A1 in complex with DNA (EMD-19046, EMD-19120, EMD-19124, PDB-ID: 8RC3)
- Type IV-A1 in complex with DNA and DinG (EMD-19125, EMD-19126, EMD-19127, EMD-51026, PDB-ID: 8RFJ)
- Type IV-A3 in complex with DNA (EMD-19045, PDB-ID: 8RC2)
- Type IV-A3 in complex with DNA and DinG (state I) (EMD-19688, PDB-ID: 8S35)
- Type IV-A3 in complex with DNA and DinG (state II) (EMD-19689, PDB-ID: 8S36)
- Type IV-A3 in complex with DNA and DinG (state III) (EMD-19690, PDB-ID: 8S37)
[図一覧]
- Fig. 1: Structures of types IV-A1 and IV-A3.
- Fig. 2: Cas8 and Cas5 mediate PAM recognition.
- Fig. 3: Cas5 and Cas7 stabilize the crRNA:TS hybrid for target interrogation.
- Fig. 4: Mismatch tolerance of type IV-A.
- Fig. 5: Cas8 and Cas7 guide the NTS.
- Fig. 6: Cryo-EM structure of type IV-A1 in complex with DinG.
- Fig. 7: Cryo-EM structures of the type IV-A3 effector bound to DinG.
- Fig. 8: Type IV-A3 DinG interface.
- Fig. 9: Model of type IV-A–mediated interference.
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