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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] HSV(Herpes Simplex Virus / 単純ヘルペスウイルス)
[出典] "The anti-tumor efficacy of a recombinant oncolytic herpes simplex virus mediated CRISPR/Cas9 delivery targeting in HPV16-positive cervical cancer" Hu Z, Liu W [..] Li X, Li J. Antiviral Res. 2024-11-11. https://doi.org/10.1016/j.antiviral.2024.106035 [所属] Yantai U (山東省), Beijing WellGene Company Ltd

 子宮頸癌は、HPV16やHPV18のようなハイリスクのヒトパピローマウイルス(HPV)感染によって引き起こされることが多く、癌関連死の主要な原因となっている。HPV16は、子宮頸がん患者の約90%に認められ、がんの進行に寄与する重要ながん化関連遺伝子(E6、E7、E2、E5)と上流制御領域(upstream regulatory region: URR)を保有している。

 中国の研究チームが今回、E2, E5, URR, E6, およびE7を標的とするCas9-sgRNAを組み込んだHSV-1をLipofectamine®で導入することで、HPV16のがん遺伝子を特異的かつ効果的にノックダウンし、細胞増殖を抑えてアポトーシスを促進する能力があることを確認し、この組換え型HSV-1を、SONC103として発表した [Fig.1 参照]。

 SONC103は、感染細胞の染色体におけるHPV16 DNAプローブの消失、腫瘍アポトーシスに関連する細胞プロセスの有意な制御、腫瘍抑制タンパク質P53とpRBを増加させる一方でE6/E7オンコプロテインを抑制した。注目すべきことに、SONC103は、マウス異種移植子宮頸がんモデルにおいて、腫瘍増殖の大幅な阻害を示した。

 組換え型SONC103ウイルスの抗腫瘍効果は、腫瘍溶解性ウイルスが介在する直接的な腫瘍細胞溶解だけでなく、CRISPR/Cas9システムを介するHPV16 DNA損傷によって促進される腫瘍細胞アポトーシスも包含しており、これらの相補的なメカニズムが腫瘍増殖抑制に極めて重要な役割を果たした。
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