[注] DNA-PKc(DNA依存性プロテインキナーゼ触媒サブユニットは二本鎖切断 (DSB) に対するDNA修復の非相同末端結合(NHEJ)経路に必要な因子);PolQi2(DSBからの修復過程MMEJの必須因子 PolΘのN末端のヘリカーゼドメインを阻害することにより、MMEJ(alt-EJ: alternative end-joining)修復を阻害する)
[出典] "Genome editing with the HDR-enhancing DNA-PKcs inhibitor AZD7648 causes large-scale genomic alterations" Cullot G [..] Corn JE. Nat Biotechnol. 2024-11-27. https://doi.org/10.1038/s41587-024-02488-6 [所属] ETH Zurich, Medical Center – U Freiburg, U Freiburg, CSL Behring Research (Bern), Swiss Institute for Translational Medicine sitem-insel
DNA-PKcsの阻害剤AZD7648は、CRISPR-Cas9による相同性指向性修復(HDR)の効率を高め、臨床応用の可能性がある。スイスとドイツの研究チームが今回、AZD7648を用いたゲノム編集によって、確かに、相同性指向性修復が促進される一方で、キロベーススケールおよびメガベーススケールの欠失、染色体アームの消失、転座が頻繁に起こることを見いだした。これらの大規模な染色体変化は、典型的なゲノム編集アッセイでは検出されないため、AZD7648の導入には臨床応用には注意が必要であり、複数のタイプの潜在的な編集結果を調査することが必要である。また、AZD7648に加えてPolQi2を併用すると、HDRの効率を維持したままキロベーススケールの欠失は抑制されるが、染色体アームの欠失といったメガベーススケールの欠失を抑制するには至らず、依然として、AZD7648の利用には課題が残る。
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