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[注] HTT (Huntington /ハンチンチン)
[出典] "CRISPR/Cas9-induced double-strand breaks in the huntingtin locus lead to CAG repeat contraction through DNA end resection and homology-mediated repair" Sledzinski P, Nowaczyk M, Smielowska MI, Olejniczak M. BMC Biol. 2024-12-03 https://doi.org/10.1186/s12915-024-02079-6 [所属] Institute of Bioorganic Chemistry (Polish Academy of Sciences) 

 ハンチントン病(HD)、脊髄小脳失調症(SCA)、筋強直性ジストロフィー1型(DM1)など、多くの遺伝性神経変性疾患では、HTT 遺伝子におけるCAG/CTGリピートが拡大することが原因となっている。長年の研究にもかかわらず、リピートの不安定性を引き起こすメカニズムは不明であるが、最近の知見は、このプロセスにおけるDNA修復の重要な役割を示している。

 一方で、CRISPR-Cas9ゲノム編集ツールによって誘導されたDNA二本鎖切断(DSB)の修復は、酵母モデルにおいて長いCAG/CTGリピートの短縮をもたらすことが知られている。そこで、このメカニズムを理解することが、前述の遺伝性神経変性疾患に対して、リピートの制御された短縮に基づく治療戦略を開発するための第一歩になる。

 ポーランドの研究チームが今回、SpCas9を介したHTT 遺伝子のCAGマイクロサテライト領域におけるDSBsの誘導後に起こる現象を研究することにより、CAGトラクトの短縮を引き起こす主要なメカニズムを明らかにしようと試みた。研究チームは、この分野におけるこれまでの研究とは対照的に、ヒトHTT 遺伝子の内在性モデルを用い、そのゲノムコンテキストを変えることなく実験を行った。さらに、CAG不安定性の制御に関与するタンパク質を偏りなく研究できる技術を適用した。

 その結果、エンドヌクレアーゼ切断部位とDSBフランキング配列が、DNA修復機構の選択において重要な役割を果たし、その結果、異なる編集結果をもたらすことが明らかになった。
  • CAGリピートの上流に位置するDSBは、ポリメラーゼθ(POLθ)媒介性末端接合(TMEJ)を誘導し、その結果、CAGトラクト全体が欠失することが示唆された。
  • 一方、CAGリピート内のDSBは、MRE11-CTIPとRAD51の活性に依存したメカニズムによって、、約90%の産物において、リピートのフレームが短縮されることが明らかになった。
  • さらに、プロテオーム解析から、CAG配列修復に関与すると思われる新規因子が同定された。
 この研究は、ヒト細胞におけるCRISPR/Cas9によるCAGリピートの短縮の複雑なメカニズム [Fig. 6参照]、ひいては、DSB修復とマイクロサテライト不安定性の過程に、新たな光を当てるものである。

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