[出典] "Enhanced osteogenic potential of iPSC-derived mesenchymal progenitor cells following genome editing of GWAS variants in the RUNX1 gene" Khan NM [..] Drissi H. Bone Research. 2024-12-06. https://doi.org/10.1038/s41413-024-00369-x [所属] Emory University School of Medicine, Atlanta VA Medical Center, U Connecticut
最近のゲノムワイド関連研究(GWAS)により、RUNX1遺伝子座のバリアント(3種類のSNPs: rs13046645; rs2834676; rs2834694)を含む、骨密度(BMD)に関連する518の有意な遺伝子座が同定された。しかし、これらのバリアントがRUNX1の発現や骨形成に及ぼす影響については不明な点が多かった。米国の研究チームが今回、骨芽細胞に分化させたヒトiPS細胞を用いて、これらの変異体が遺伝子制御において果たす役割を追究した。
研究チームは、CRISPR/Cas9を利用して、バリアント遺伝子座を欠失させた変異iPS細胞株を樹立した。それぞれ、rs2834676およびrs2834694のSNPを包含する欠失変異体1(Δ1-RUNX1-iPSC)およびrs13046645のSNPを包含する欠失変異体2(Δ2-RUNX1-iPSC)と称する2種類である。その上で、これらの欠失変異体において、骨形成マーカー遺伝子の発現やアリザリンレッド染色が亢進し、骨形成能が亢進することを見出した。
続いて、円形染色体コンフォメーションキャプチャ (circularized chromosome conformation capture: 4C-Seq)を用いて、骨形成過程におけるBMD関連遺伝子座とRUNX1プロモーターとの相互作用を解析した。その解析の結果、RUNX1アイソフォームやヒストンメチル化酵素であるSETD4を含む複数の遺伝子プロモーターとのクロマチン相互作用が変化していることが明らかになり、これらの遺伝子プロモーターが骨形成に影響を及ぼしていることが示された。
興味深いことに、両欠失株とも、RUNX1の長いアイソフォームの発現を顕著に刺激し、短いアイソフォームに対してはより緩やかな影響であった。SETD4と他の予測される標的の一貫した発現亢進は、Δ2欠失が、この遺伝子座における複数の遺伝子の発現を制約している制御ハブを除去したことを示唆した。
マウスの骨欠損モデルを用いたin vivo実験では、Δ2領域のホモ接合体欠失により骨再生が増加することが示された。
これらの知見は、RUNX1遺伝子座内のBMD関連変異体が、骨芽細胞コミットメントに関与する複数のエフェクター遺伝子を制御していることを示しており、骨密度の遺伝的制御に関する貴重な知見と潜在的な治療標的を提供するものである。
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