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2025-06-26 抗生物質耐性遺伝子の獲得を抑制するアプローチを提示した論文の紹介crisp_bio記事へのリンクを追記

2025-01-08
初稿
[出典] "Harnessing CRISPR interference to resensitize laboratory strains and clinical isolates to last resort antibiotics" Frusteri Chiacchiera A [..] Magni P, Pasotti L. Sci Rep 2025-01-02.
https://doi.org/10.1038/s41598-024-81989-5 [所属] U Pavia, U Padua, U Paris Cité, Fondazione IRCCS Policlinico San Matteo

 世界的な薬耐性菌との戦いでは、特定の細菌を殺すのに有効なだけでなく、新たな耐性菌の出現を最小限に抑える新規抗菌薬が必要とされている。近年、CRISPR/Casを用いた抗菌薬が提案され、殺傷特異性に着目した有望な結果が得られている。しかし、CRISPR技術を利用した場合でも、標的細菌には、Cas切断を契機とする変異が出現し、耐性を獲得する可能性があることから、新たな抗生物質耐性遺伝子(antibiotic-resistance gene: ARG)変異体を生み出すリスクが指摘されている。

 イタリアを主とする研究チームが今回、標的DNAを切断・損傷することなく特定の遺伝子の発現を阻害することを可能にするCRISPRiに基づく抗生物質再感作戦略を評価した。

 組換え大腸菌において、低コピー数から高コピー数までのARGに対して、個別に、また、複数同時にターゲティングすることにより、最後の手段とされている抗生物質を含む4種類の抗生物質に対する耐性が有意に低下することが示された。

 抗生物質を逃避する細菌株(escaper / エスケイパー)解析の結果、標的配列に変異がないことが確認され、CRISPRiが新たな耐性の獲得に関与しないことが示唆された。次に、臨床的に重大な懸念のあるARGを保有する大腸菌臨床分離株を用いて、異なる増殖条件下でのCRISPRiの頑健性を評価した。その結果、メロペネムコリスチンセフォタキシムに対する感受性が、培地依存的にMIC(最大4倍以上)と増殖遅延(最大11時間)の点で上昇することが確認された。ARGの抑制は、宿主を模倣した培地におけるCRISPRiを介した再感作の実証として、ヒトの尿中で増殖した病原株でも機能した。

 本研究は、CRISPRiを抗菌剤や研究ツールとしてさらに活用し、ARGを選択的に抑制し、耐性メカニズムを調べるための基礎を築いた。

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