[出典] "A CRISPR-Cas9 system protecting E. coli against acquisition of antibiotic resistance genes" Lee D, Muir P [..] Sandegren LKoskiniemi S. Sci Rep 2025-01-09. https://doi.org/10.1038/s41598-025-85334-2 [所属] Uppsala U.
抗菌薬耐性(antimicrobial resistance: AMR)の拡大は世界的な公衆衛生にとって重大な課題であり、細菌感染症に対する新たな治療選択肢が切実に求められている。これに対して、人工プロバイオティクスが、細菌感染症の治療や予防に強い可能性を示しているが、生きた細菌を使用する場合の懸念事項として、細菌が水平遺伝子導入(HGT)によりAMRや病原性因子をコードする遺伝子を獲得し、プロバイオティクスがスーパーバグに変化するリスクが、挙げられる。
ウプサラ大学の研究チームは今回、細菌を遺伝子の水平転移から守る、人工のCRISPR-Cas9システムを開発した [Fig. 1引用右図参照]。8つのAMR遺伝子を標的とするCRISPR遺伝子座を合成し、これをCas9およびtracrRNAとともに中程度のコピーのプラスミド上にクローニングした。次に、形質転換、形質導入、コンジュゲーションを通じて、HGTを阻害するシステムの効率を評価した。 その結果、CRISPR-Cas9システムの発現が、形質転換または形質導入による標的耐性遺伝子の獲得から大腸菌MG1655を保護することに成功した。さらに、CRISPR-Cas9システムは、臨床用プラスミドのコンジュゲーションを阻害し、プロバイオティクス細菌である大腸菌Nissle 1917によるAMR遺伝子の獲得を阻止できることを示した。
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