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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[注] 抗CRISPRタンパク質(Acrタンパク質)
[出典] "Crystal structure of the anti-CRISPR protein AcrIE7" Liu Z, Liu Y, Zhang S [..] Yin H. Biochem Biophys Res Commun. 2025-01-09. https://doi.org/10.1016/j.bbrc.2025.151315 [所属] Tianjin Medical U, Shandong Second Medical U

 中国の研究チームがタイプI-E CRISPR-Casシステムに抗するAcrタンパク質のAcrIEファミリーのメンバーであるAcrIE7について、2つの異なる結晶化条件下でそれぞれ2.05Åと2.68Åの分解能でのX線結晶構造解析を実現した。

 トポロジー解析の結果、AcrIE7は2つの異なる電荷領域を持つ7つのα-ヘリックスから構成されており、これがタイプI-E CRISPR-Casシステムを阻害している可能性が高いことが明らかになった。続いて、構造の柔軟性の解析から、2つの結晶化条件間で構造安定性に顕著な違いがあることが明らかになり、異なる条件下でAcrIE7タンパク質の剛性が変化することが示された。また、AcrIE7が新規なフォールドを示すという特徴が明らかになった。

 AlphaFold3 による予測構造と比較したところ、実験構造には見られなかったβシートが含まれていた。実験構造と予測構造の不一致は、予測された小分子の一部が依然として不正確であることを浮き彫りにした。

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