2025-01-31 出版年月日を修正
[注] Oncopig 参考レビュー: "Benefits and opportunities of the transgenic Oncopig cancer model" Joshi K, Telugu BP, Prather RS, Bryan JN, Hoffman TJ, Kaifi JT, Rachagani S. Trends Cancer 2024-01-29/March. https://doi.org/10.1016/j.trecan.2024.01.005 ; ブタはヒトとよく似ており、癌研究のモデルとして役立つ可能性があったが、近年、臓器特異的に固形がんを誘発するトランスジェニック'オンコピッグ'系統が作製され、新規治療レジメン開発のプラットフォームとしてのオンコピッグの可能性が広がっている。
[注] Oncopig 参考レビュー: "Benefits and opportunities of the transgenic Oncopig cancer model" Joshi K, Telugu BP, Prather RS, Bryan JN, Hoffman TJ, Kaifi JT, Rachagani S. Trends Cancer 2024-01-29/March. https://doi.org/10.1016/j.trecan.2024.01.005 ; ブタはヒトとよく似ており、癌研究のモデルとして役立つ可能性があったが、近年、臓器特異的に固形がんを誘発するトランスジェニック'オンコピッグ'系統が作製され、新規治療レジメン開発のプラットフォームとしてのオンコピッグの可能性が広がっている。
[出典] "Development of genetically tailored orthotopic implantation hepatocellular carcinoma model in oncopigs by somatic cell CRISPR editing" Elkhadragy L [..] Gaba RC. Dis Model Mech. 2024-12-27 (accepted) / 2025-01-29. https://doi.org/10.1242/dmm.052079 [所属] U Illinois at Chicago (Radiology, Pathology), U University of Illinois at Urbana-Champaign (Veterinary Clinical Medicine, Animal Sciences)
肝細胞癌(HCC)は予後不良の侵襲性疾患であり、新規治療法の評価には前臨床モデルが必要である。大動物モデルは、肝細胞癌の病期を問わず広く採用されている局所療法を評価する上で特に有用である。米国の研究チームは、腫瘍変異を調整した大動物肝細胞癌モデルを開発することを目的とする中で今回、TP53R167HとKRASG12Dが誘導可能な遺伝子改変ブタoncopigをベースとする肝細胞癌モデル構築を試みた。
肝細胞をOncopigから単離し、in vitroでCreリコンビナーゼに暴露してHCC細胞を作製し、PTEN とCDKN2A 遺伝子のCRISPR/Cas9ノックアウト(KO)によってさらなる変異を導入し、Oncopig HCC細胞の増殖と遊走を増加させた。このCRISPR編集自家HCC細胞を、2つのアプローチでOncopigに移植した。
超音波ガイド下経皮的肝注入では限局性の肝内腫瘤が発生し、門脈注入では多発腫瘍が発生したが、時間の経過とともに退縮した。両アプローチで発生した腫瘍はPTEN とCDKN2A のKO変異を有していた。
本研究は、体細胞CRISPR編集と自家移植を用いて、オンコピッグにおいて遺伝的に調整された肝細胞癌を開発することの実現可能性を示すものであり、in vivo治療評価のための貴重な大動物モデルを提供するものである。
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