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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

- UKバイオバンクのデータをベースに
[出典] "Atlas of the plasma proteome in health and disease in 53,026 adults" Deng YT, You J, He Y, Zhang Y, Li HY, Wu XR, Cheng JY, Guo Y, Long ZW, Chen YL [..] Feng JF, Cheng W, You JT. Cell. 2025-01-09.
https://doi.org/10.1016/j.cell.2024.10.045 

 大規模なプロテオミクス研究は、健康と疾患についての理解を深め、精密医療を可能にする。復旦大学の研究チームが今回、UKバイオバンクの53,026人(追跡期間中央値:14.8年)のデータをベースとする機械学習を介して、720の疾患(有病者406人と発症者660人に由来)および健康に関連する986の形質と関連する2,920の血漿タンパク質の詳細なアトラスを構築・公開した [グラフィカルアブストラクト引用右下図参照] 血漿プロテオーム
  • アトラスは、168,100のタンパク質-疾患関連と554,488のタンパク質-形質関連を包含している。650以上のタンパク質が少なくとも50の疾患間で共有され(多面作用)、1,000以上のタンパク質が性・年齢による不均一性を示すことが、明らかにされている。
  • 疾患を識別する手がかりとして、タンパク質が有望なことが示されている(高い予測性能:183の疾患においてROC曲線下面積[AUC]>0.80)。
  • タンパク質の量的形質遺伝子座(quantitative trait locus)のデータを統合することにより、474の疾患原因タンパク質が決定され、37の薬剤再利用(repurposing)の可能性と、安全性の高い26の潜在的標的が、同定された。
 Atlas of the plasma proteome Web site本研究で構築されたオープンアクセス可能な包括的プロテオーム・フェノーム情報資源は、疾患の生物学的メカニズムの解明、疾患バイオマーカー、予測モデル、治療標的の開発を加速させる [アトラス公開Webサイトの画面キャプチャーを右図に引用 (https://proteome-phenome-atlas.com/)]

[図一覧]
[著者所属] 
  • 復旦大学/Fudan U (Shanghai Medical College, Institute of Science and Technology for Brain-Inspired Intelligence, Key Laboratory of Computational Neuroscience and Brain-Inspired Intelligence, Shanghai Cancer Center, School of Life Sciences and Human Phenome Institute, Huashan Hospital), U Warwick (兼).
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