[出典] "Construction of high ethyl acetate-producing diploid/ tetraploid Saccharomyces cerevisiae through CRISPR/Cas9-mediated mating-type switching [*]" Sun C [..] Wu X, Chen Y. Food Biosci. 2025-01-20. https://doi.org/10.1016/j.fbio.2025.105965 [所属] Tianjin U Science and Technology, Key Laboratory of Industrial Fermentation Microbiology (MOE).
[*] Mating-Type Swiching ["An Evolutionary Perspective on Yeast Mating-Type Switching" Hanson SJ, Wolfe KH. Genetics. 2017-05-03] / 交配型スイッチング
酢酸エチル（EA）は白酒 (Baijiu) にフルーティーな風味を与え、その官能特性に大きな影響を与える。天津を拠点とする研究チームは先行研究でEAを高生産するハプロイドSaccharomyces cerevisiae PGα株を構築していた [ACS Synth Biol. 2021]。今回は、PGα株を親株として、CRISPR/Cas9を介した交配型スイッチングにより、より優れた耐酸性を維持しながらEAを高生産する一連の2倍体および4倍体酵母を構築した。
- コニカルフラスコでの固体発酵において、ヘテロ接合二倍体株PGAYは479.76±16.58 mg/LのEAを生産し、これはPGαの1.7倍であった。非サッカロミセス酵母と比較して、PGAYは発酵プロセスを通して一貫して高い酵母細胞数、より速い発酵速度、より大きなEA産生を示した。
- 4倍体株は酸耐性と発酵性能の向上を示し、特にAY1PG3は3431.05±38.08mg/LのEAを生産し、これは既存の工業株の3.2倍に相当した。
今回作出した2倍体および4倍体菌株は、白酒の風味と品質を向上させる可能性を秘めており、また、Cas9を介した交配型スイッチングのアプローチは、S. cerevisiae の育種に関する新たな知見を提供した。
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