[出典] "CRISPR/CasRx: A novel antiviral approach to combat largemouth bass (Micropterus salmoides ) Rhabdovirus infections" Yang K [..] Xu K, Wang G. Aquaculture. 2025-01-23/04-15. https://doi.org/10.1016/j.aquaculture.2025.742189 [所属] Northwest A&F U (College of Animal Science and Technology, Key Laboratory of Livestock Biology, Engineering Research Center of the Innovation and Development of Green Fishery Drugs)
オオクチバスは北米原産の淡水魚で経済的に重要な種であり、ウイルス病原体 "Micropterus salmoides rhabdovirus (MSRV)"感染を阻止する革新的アプローチが緊急に求められている。中国の研究チームは今回、MSRVの5つの構造タンパク質である核タンパク質(N)、リンタンパク質(P)、マトリックスタンパク質(M)、糖タンパク質(G)、ラージタンパク質(L)を標的とするCRISPR/CasRx(以下、CasRx-MSRV)を利用する戦略を試みた。
- CasRx-MSRVプラスミドを構築し、in vitroおよびin vivoモデルの両方でMSRVに対する強力な抗ウイルス活性を確認した。
- 最初の評価では、CRISPR/CasRxシステムのGCO (Grass carp ovary cell lines) 細胞におけるMSRV複製阻害能力に焦点を当て、特にLタンパク質に重点を置いた。CasRx-MSRV-Lシステムは97.79%という有意な阻害率を達成し、これはウイルス力価の大数減少値 5に相当した。
- 治療的投与は感染魚の生存期間をわずかに延長したが、予防的投与は稚魚の生存率を79.22%有意に改善した。
本研究において、CRISPR/CasRxシステムが、MSRVに対する耐性を付与するための新規かつ強力なツールとして有望であり、また、RNAウイルス全般と闘うための戦略的アプローチとして有望なことが示された。
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