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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Optimizing genome editing efficiency in Streptomyces fradiae via a CRISPR/Cas9n-mediated editing systemWu Y, Jin H, Yu Q [..] Cai D, Chen S. Appl Environ Microbiol. 2025-01-22. https://doi.org/10.1128/aem.01953-24 [所属] State Key Laboratory of Biocatalysis and Enzyme Engineering (Hubei U), Lifecome Biochemistry Co. Ltd (China)

 ストレプトマイセス属のStreptomyces fradiaeは、様々な抗菌性天然物を生産する有用な生物資源であるが、高GC含量(74.5%)と複雑なゲノム構造のために、ゲノム編集が困難であり、また、CRISPR/Cas9ヌクレアーゼを介したゲノム編集もオフターゲット活性に因る毒性が課題になっていた。

 中国の研究チームが今回、野生型Cas9にニッカーゼ変異(D10A)と高忠実度変異(N497A, R661A, Q695A, Q926A)を導入したCas9改変体と、その発現にチオストレプトン誘導型プロモーター PtipAを利用することで、オフターゲット活性回避しつつ、種々の遺伝子や長い領域 (13.3 kb) の削除や遺伝子置換を高効率で実現し、ネオマイシンの高収率で生産するS. fradiae 株を樹立するに至った。
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