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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

 中国の研究チームが今回、Cas12aの切断活性が、Cas12aとcrRNAの結合プロセスへの干渉を介して、ヘパリンナトリウムの濃度変化によって制御されることを発見した。この発見をもとに、SURVEY(heparin Sodium Used for Rapid Viral dEtection and analYsis)と名付けた普遍的なワンポット検出法を開発した。

 SURVEYは、ヘパリンナトリウムの濃度を調整するだけで、LoDが0.6cp/μLと低く (高感度で)、カノニカルまたはサブオプティマルのPAM配列に対応できる。この方法は、AsCas12aやAapCas12bなどのCas12サブタイプに適合し、高い汎用性を示す。さらに、検出プロセスはわずか15-20分であり、従来のCRISPR-Dx法よりも2-3倍速い。

 SURVEYは、シュードタイプmpoxウイルス、A型インフルエンザウイルス、SARS-CoV-2をターゲットとしたテストにおいて、唾液と廃水サンプルにおいて95%以上の感度と特異性を示し、様々な病原体の検出のPOCTへと幅広く応用できることを示した。

[出典] "Tunable control of Cas12 activity promotes universal and fast one-pot nucleic acid detection" Chen ZH [..] Liu DF, Yu HQ. Nat Commun. 2025-01-30.https://doi.org/10.1038/s41467-025-56516-3 [所属] U Science and Technology of China, Fujian Medical U Union Hospital.
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