細胞タンパク質の恒常性維持(ホメオスタシス)は、タンパク質の生合成、局在化、回転を制御する重要なプロセスである。ユビキチン・プロテアソーム系によるタンパク質の選択的分解は、タンパク質のホメオスタシスにおける中心的なエフェクター機構である。この分解は
Lys48に結合したポリユビキチン化などの翻訳後修飾(PTM)によって開始され、プロテアソームにより完結する。このシステムの特異性は、600以上の酵素(ユビキチンリガーゼ)が、それぞれのクライアントのタンパク質上のデグロンと呼ばれる特異的相互作用モチーフに結合することで実現されている。
Lys48に結合したポリユビキチン化などの翻訳後修飾(PTM)によって開始され、プロテアソームにより完結する。このシステムの特異性は、600以上の酵素(ユビキチンリガーゼ)が、それぞれのクライアントのタンパク質上のデグロンと呼ばれる特異的相互作用モチーフに結合することで実現されている。
よく研究されているPTMの多くは、専用の酵素によって付加されたり消去されたりするが、アミノ酸側鎖やタンパク質骨格自体にも、酸化的損傷やアルキル化など、酵素以外による修飾が多数存在する。現在までに、合計700以上のタンパク質修飾(非正規PTM)が報告されているが、これらの大部分は、タンパク質のホメオスタシスにおける役割が未解明である。
非正規PTMはプロテアソーム阻害後に蓄積し、アルキル化剤や酸化剤による処理はタンパク質のターンオーバーを刺激する。そのため、特定の化学修飾が、タンパク質のクリアランスを引き起こすタンパク質損傷の目印として長い間想定されてきた。しかしタンパク質分解を誘導するのに十分な特定の修飾と、それが認識されるメカニズムについては、まだほとんど解明されていない。
非正規PTMはプロテアソーム阻害後に蓄積し、アルキル化剤や酸化剤による処理はタンパク質のターンオーバーを刺激する。そのため、特定の化学修飾が、タンパク質のクリアランスを引き起こすタンパク質損傷の目印として長い間想定されてきた。しかしタンパク質分解を誘導するのに十分な特定の修飾と、それが認識されるメカニズムについては、まだほとんど解明されていない。
今回、スイスとドイツの研究チームが、細胞アッセイと組み合わせた半合成的ケミカルバイオロジーアプローチを用いて、C末端アミド結合タンパク質(C-terminal amides mark proteins: CTAP)がヒト細胞から速やかに除去されることを発見した。
研究チームは、C末端アミドのリーダーがFBXO31がであることを、CRISPRスクリーニングにより同定した。FBXO31は、SKP1-CUL1-F-boxタンパク質(SCF)ユビキチンリガーゼSCF-FBXO31の基質レセプターであり、CTAPをユビキチン化し、プロテアソームで分解する。FBXO31は、保存された結合ポケットにより、アミドを持つほとんど全てのC末端ペプチドにナノモルレベルの高い親和性で結合するが、非修飾の正常なC末端は認識しないという絶妙な選択性を示す [NEWS & VIEWS記事のFigure 1のモデル図参照]。
この分子機構により、酸化ストレス後に形成される内因性CTAPの結合と代謝が促進される。一方で、神経発達障害で見られるFBXO31の顕性突然変異はCTAPの認識を逆転させ、FBXO31が著しく毒性を示すようになる。
研究チームは、CTAPが、化学的損傷を受けたタンパク質を選択的かつ広範に監視する一般的な戦略を可能にするこれまでほとんど未開拓であった修飾アミノ酸デグロン類の先駆けである可能性を提唱した。
[出典]
- 論文 "C-terminal amides mark proteins for degradation via SCF–FBXO31" Muhar MF [..] Bode JW, Corn JE. Nature. 2025-01-29. https://doi.org/10.1038/s41586-024-08475-w [著者所属] ETH Zurich (Institute of Molecular Health Science, Laboratory for Organic Chemistry), U Zurich (Dept Biochemistry, Laboratory of Neural Plasticity), Max Planck Institute of Biochemistry (Dept Molecular Machines and Signaling, Dept Proteomics and Signal Transduction)
- NEWS AND VIEWS "Signs of damage that drive protein degradation" Freeborn A, Rapé M. Nature 2025-01-29. https://doi.org/10.1038/d41586-025-00082-7 [著者所属] UC Berkeley
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