発生時のヒトの脳は、動物モデルでは研究困難なユニークな特徴を示す。ヒト脳組織に基づく現在のin vitroモデルは、2次元あるいは3次元の神経幹細胞培養では細胞の不均一性に限界があること、組織スライス培養では生存期間が短いことなど、いくつかの課題に直面している。オランダの研究チームは最近、ヒト胎児脳組織から直接、組織の完全性を保持したままオルガノイド培養を誘導する培養条件を確立した。
このプロトコールでは [参考図 Fig. 1: Schematic overview of this protocol]、局所的特徴を広く保持したヒト胎児脳オルガノイド(Fetal Brain Organoids: FeBO)を樹立するための詳細な手順と、継代培養および特性解析の手順について述べる。さらに、FeBOにCRISPR-Cas9をベースとするゲノム工学を適用し、汎用性の高いボトムアップ脳腫瘍モデルとして機能する変異FeBO株を作製する方法についても述べる。最後に、健常FeBOと変異FeBOの両方に適用可能な、様々な下流の応用例を示す。組織培養の経験のある研究者の場合、ヒトFeBO培養の確立に2-3週間、FeBOのゲノム工学に2-4ヶ月を要する。
[出典] "Generation of human fetal brain organoids and their CRISPR engineering for brain tumor modeling" Pagliaro A [..] Artegiani B, Hendriks D. Nat Protoc. 2025-02-06. https://doi.org/10.1038/s41596-024-01107-7 [著者所属] Princess Máxima Center for Pediatric Oncology (Utrecht)
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