これまでに何百もの遺伝子座が肥満関連形質と強固に関連付けられてきたが、そうした候補遺伝子の機能同定は、遅れている。スウェーデン、米国、デンマークの研究チームは、脂肪細胞における脂質の蓄積やその他の心代謝形質に関与する候補遺伝子を系統的に特徴付けることを目的として、生きたゼブラフィッシュ幼生を用いたCRISPR/Cas9遺伝子変異誘導、非侵襲的な半自動蛍光イメージング、深層学習に基づく画像解析を用いたパイプラインを開発した。
食餌介入の結果、受精後(days post-fertilization: dpf)10日(n = 275)までに脂肪細胞への脂質蓄積の確率を高めるには、5日間の過食で十分であることが示された [Fig. 3引用右図参照]。しかしながら、その後の実験から、CRISPR/Cas9による12〜16種類の肥満遺伝子は、10dpfでは脂肪細胞への脂質蓄積に影響を示さず(n = 1014)、また、8dpfにおける摂食量への影響(n = 1127)は、哺乳類から得られた以前の結果と矛盾していた。 一方で、CRISPR/Cas9誘導変異が、血管系(sh2b1 およびsim1b )および肝臓(bdnf )における脂質の異所性蓄積をもたらし、また、サイズ(pcsk1, pomca, irs1)、全身のLDLcそして/または総コレステロール含量(irs2b およびsh2b1)、膵臓β細胞の形質そして/またはグルコース含量(pcsk1, pomca, sim1a )に影響を及ぼすことが、観察された。
本研究は、ゼブラフィッシュ幼生を用いることで、肥満への影響が明らかになる前に、肥満遺伝子が心血管と代謝に及ぼす直接的な影響を明らかにすることが可能なことを示している。
[出典] "Functionally characterizing obesity-susceptibility genes using CRISPR/Cas9, in vivo imaging and deep learning" Mazzaferro E, Mujica E [..] den Hoed M. Sci Rep. 2025-02-13. https://doi.org/10.1038/s41598-025-89823-2 [著者所属] Uppsala U, Stockholm U, BioImage Informatics Facility at SciLifeLab (Uppsala), U Copenhagen, Department of Brain and Adipose biology (Denmark), Icahn School of Medicine at Mount Sinai
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