近年、CRISPR-Casシステムの進化やその機能で注目を集めているCAST(CRISPR-associated transposon)は、Tn7様トランスポゾンとCRISPR-Casマシナリーとの自然発生的な融合体であり、プログラム可能なガイドRNAを介してトランスポゾンDNAの部位特異的な統合を指示する [crisp_bio 2024-12-09 ]。
コーネル大学の研究チームは今回、シアノバクテリアにおいて、CRISPR-Casシステムと共役するが、CRISPR-Casマシナリーに依存するのではなく、CRISPRアレイのリピートを、att部位として認識し直接標的とするTn7様トランスポゾンのファミリーを発見し、その進化系統、標的特異性、分類体系をin silicoで解析した。
コーネル大学の研究チームは今回、シアノバクテリアにおいて、CRISPR-Casシステムと共役するが、CRISPR-Casマシナリーに依存するのではなく、CRISPRアレイのリピートを、att部位として認識し直接標的とするTn7様トランスポゾンのファミリーを発見し、その進化系統、標的特異性、分類体系をin silicoで解析した。
CRISPRアレイを標的とするトランスポゾンは、進化系統学的にtRNAを標的とするトランスポゾンに近い。これらのTnsDタンパク質のC末端領域は、近縁のエレメントと比較して、標的部位を認識する役割を担っている。注目すべきは、エレメントがCRISPRスペーサー領域内の一定の位置(リピート)に組み込まれていることである。
CRISPRアレイを標的とするトランスポゾンは、プラスミドとゲノムのCRISPRアレイの双方で同定されたことから、MGEと細菌の防御システムの新たな共適応の存在を示唆した。
また、大腸菌で再構成する試みが失敗に終ったことから、CRISPRアレイを標的とするトランスポゾンが宿主固有の因子に依存している可能性が示された。
また、大腸菌で再構成する試みが失敗に終ったことから、CRISPRアレイを標的とするトランスポゾンが宿主固有の因子に依存している可能性が示された。
[出典] "A family of Tn7-like transposons evolved to target CRISPR repeats" Chacon Machado L, Peters JE. Mobile DNA. 2025-02-18. https://doi.org/10.1186/s13100-025-00344-1 [著者所属] Cornell University (Dept Microbiology)
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