crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

 CRISPRを用いたRNA検出法の多くは、感度向上のために増幅と組み合わせており、エアロゾル汚染、煩雑な操作、増幅バイアスなどの欠点がある。上記の問題点を解決するために、南方医科大学の研究チームは、液滴マイクロ流体工学とCRISPR/Cas13aに基づき、ポリメラーゼ連鎖反応を用いないインフルエンザAウイルスRNAのデジタル検出法を開発した。

 捕捉プローブと結合させたマイクロスフェアを用いてサンプル中の標的RNAを抽出・濃縮し、標的が誘発するCRISPR/Cas13a切断イベントをマイクロ流体液滴に限定することで、局所的なシグナル強度を高め、1分子検出を可能にした。

 このアッセイ法によりμLあたり10コピーの検出限界が達成され、1時間未満でのインフルエンザAウイルスRNAの検出が実現された。

[出典] "An amplification-free digital droplet assay for influenza A viral RNA based on CRISPR/Cas13a" Liu J [..] Mo K, Liu T, Wu K. Analyst. 2025-02-14. https://doi.org/10.1039/D4AN01328J [著者所属] Southern Medical U (Dept Pathogen Biology, Key Laboratory of Antibody Engineering of Guangdong Higher Education Institutes, Dept Laboratory Medicine, Dept Anesthesiology)
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