複数のゲノム部位を同時に効率よく編集できる多重化CRISPRシステムは、複雑な遺伝子改変のための強力なツールである。しかし、効果的な多重化ガイドRNA(gRNA)アレイの設計は、潜在的なgRNAアレイ候補が指数関数的に増加し、かつ、異なる標的部位の選択が効率と特異性に大きな影響を及ぼすため、依然として困難である。
華南理工大学を主とする研究チームは今回、最小自由エネルギー(minimum free energy: MFE)が低いことを特徴とする、より安定なgRNAは、活性が長く、したがって有効性が高いことを認識し、最適化されたシングルプロモーター駆動型多重化gRNAアレイを設計するために、EGAを採用したグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を備えたMultiCRISPR-EGAを開発した。
大腸菌の遺伝子をターゲットとしたin silico 実験により、EGAは多重化gRNAアレイを迅速に最適化でき、CRISPRiアプリケーションにおいて他の最適化アルゴリズムを凌駕することが実証された。
また、GUIは設計の進捗をリアルタイムで制御し、様々なCRISPR-Casシステムとの互換性を提供する。
このツールは、多重化gRNAアレイ設計プロセスを前進させ、合成生物学のより効率的でコスト効果の高いゲノム編集を可能にする。
[出典] "MultiCRISPR-EGA: Optimizing Guide RNA Array Design for Multiplexed CRISPR Using the Elitist Genetic Algorithm" Zhang Y [..] Jiang H, Xiong W. ACS Synth Biol. 2025-02-20. https://doi.org/10.1021/acssynbio.4c00860 [著者所属] South China U Technology (South China U Technology, School of Biology and Biological Engineering), Guangdong Artificial Intelligence and Digital Economy Laboratory, NIDCR/NIH (Microbial Therapeutics Unit)
コメント