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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 明治大学とNTTの研究チームが、日本のナショナルバイオリソースプロジェクト (NBRP)の大腸菌全遺伝子変異株コレクション (KEIOコレクション) と大腸菌遺伝子クローンコレクション (ASKAクローン) 微生物変異株サイブラリーを活用して、壌中での大腸菌の長期生存率に及ぼす転写制御因子を同定した。

 全転写制御因子のいずれか1種類を欠損している大腸菌294株の土壌中での生存率を6週間にわたって測定した。その結果、10株の転写因子欠損株は生存率を有意に低下させたが、4株の欠損株は生存率を上昇させた。これらの転写制御因子のいくつかに共通する機能は、炭素・窒素代謝、定常期適応、浸透圧ストレス適応などであった。これらの転写因子は多くの場合、グローバルな制御因子であり、他の病原性細菌種間で保存されている。

 モデル微生物としての大腸菌の土壌中での長期生存に関与する転写因子を網羅的に同定することに成功したことは、多様な微生物が土壌環境に適応するメカニズムを理解することで、そ物質循環をベースにした持続可能な開発のアプローチに貢献していくであろう。

[出典] 
  • 論文 "Identification of a comprehensive set of transcriptional regulators involved in the long-term survivability of Escherichia coli in soil" Nakamoto S (中元颯馬) [..] Imamura S (今村壮輔) , Shimada T (島田友裕). Sci Rep. 2025-02-04. https://doi.org/10.1038/s41598-025-85609-8 [著者所属] 明治大学ゲノム微生物学, NTT宇宙環境エネルギー研究所
  • 日本語解説「世界初、土壌中における微生物の長期生存をコントロール~土壌からの温室効果ガス排出削減に資する基盤技術を確立~明治大学プレスリリース. 2025-02-24. https://www.meiji.ac.jp/koho/press/2024/mkmht0000023pj1r.html
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