[注] CRISPRa:dCas9をベースとする人工の転写活性化因子
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)は、上皮成長因子受容体(EGFR)変異を有する非小細胞肺癌(NSCLC)の治療において、臨床的に大きな成功を収めてきた。しかし、複数のシグナル伝達経路の活性化、変異、欠失に起因することが多い薬剤耐性の出現は避けられず、重要な課題となっている。特に、PTENタンパク質の発現低下は、EGFR変異肺癌における耐性を助長する極めて重要なメカニズムとして浮上している。従って、PTENの発現をアップレギュレートすることを目的とした戦略は、薬剤感受性を回復させる上で大きな可能性を秘めている。
中国の研究チームはPTENタンパク質の発現を亢進するCRISPRaを設計した。標的特異性と薬物送達効率をさらに高めるために、ベクターを腫瘍細胞膜(tumor cell membrane: CCM)で被覆し、CRISPFRaナノプラットフォームを構築した。包括的なin vitroおよびin vivo評価により、ゲフィチニブとCRISPRaとの相乗的相互作用により、薬剤感受性が著しく向上することが示された。
今回の発見は、肺がん耐性の問題に対処するアプローチの可能性を示し、個別化がん治療への道も広げることが期待される。
[出典] "CRISPR-dCas9-Mediated PTEN Activation via Tumor Cell Membrane-Coated Nanoplatform Enhances Sensitivity to Tyrosine Kinase Inhibitors in Nonsmall Cell Lung Cancer" Yang K [..] Han X. ACS Appl Mater Interfaces. 2025-02-20. https://doi.org/10.1021/acsami.4c21740 [著者所属] Nanjing U Chinese Medicine (The Second Affiliated Hospital, Jiangsu Collaborative Innovation Center of Chinese Medicinal Resources Industrialization, Jinling Clinical Medical College), Harbin Medical University Cancer Hospital) ;グラフィカルアブストラクト参照
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