CRISPR-Casシステムは外来DNAから「スペーサー 」と呼ばれる断片をCRIS PRアレイに取り込みことで免疫記憶を残し、ファージを含む外来遺伝要素に対する適応免疫を原核生物に提供する。その中で、既存の免疫を持たない細胞が、急速な溶菌感染に対して、新たなスペーサーを獲得してそれを防御に利用するに十分な時間生き延びるかは、謎のままであった。
JHUの研究チームは今回、細菌がCRISPR-Cas免疫の確立のために、溶原ファージ(temperate phage)の「溶原性」ライフサイクルまたは休眠状態のプロファージを利用することを、明らかにした:
- ファージ感染中、溶原期に入った細胞では、溶菌期に入った細胞に比べて免疫化率が著しく向上する。
- 外敵の脅威がない場合、細菌は自身の染色体内で休眠しているプロファージを標的としてスペーサーを獲得する。
- この場合、Cas9による自己標的化はプロファージの除去 (cure) を促進し、免疫化された細胞が自己免疫を回避することを可能にする。
こうした得られた知見は、環境中から単離した菌株に見られるスペーサーのほとんどが溶原ファージを標的としていることと整合している。
[出典] "Bacteria exploit viral dormancy to establish CRISPR-Cas immunity" Keith NC, Snyder RA, Euler CW, Modell JW. Cell Host Microbe 2025-02-17.
https://doi.org/10.1016/j.chom.2025.02.001
[著者所属] Johns Hopkins School of Medicine (Dept Molecular Biology & Genetics, Dept Medical Laboratory Sciences, Dept Molecular Biology & Genetics);グラフィカルアブストラクト参照
https://doi.org/10.1016/j.chom.2025.02.001
[著者所属] Johns Hopkins School of Medicine (Dept Molecular Biology & Genetics, Dept Medical Laboratory Sciences, Dept Molecular Biology & Genetics);グラフィカルアブストラクト参照
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