Cas9が哺乳類細胞のゲノムにアクセスするには、核に局在しなければならない。ほとんどのタンパク質では、核局在化シグナル(NLS)を1つ加えるだけで、核への侵入を促進するのに十分である。しかし、Cas9の核内移行には、通常、複数のNLSが付加され、そのために、効率が悪いように見える。
ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究チームが今回、HEK293T細胞において3つの異なるCas9変異体がリボソームとRNAを介して相互作用することを発見した。有糸分裂後ニューロンにおいて、細胞質に局在するCas9-0NLS [NLS無し]および核に局在するCas9-4NLS構築物の免疫沈降-質量分析により、Cas9と相互作用する一連の分子を同定した。それには、KEAP1に加えてリボソームサブユニットが含まれていたが、後者は、Cas9-0NLSサンプルで濃縮されていた。
これらの結果を総合すると、Cas9は、部分的に、リボソームとの相互作用を介して哺乳類細胞の細胞質に隔離されていることが示唆される。Cas9上のNLSの数を増やすこと、および/または、細胞質ガイドRNAの量を増やすことは、リボソームRNAの結合を凌駕し、CRISPR-Cas9バリアントの効率的な核局在化を促進する可能性がある。
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[出典] "Exploring the Cytoplasmic Retention of CRISPR-Cas9 in Eukaryotic Cells: The Role of Nuclear Localization Signals and Ribosomal Interactions" Major RM [..] Zylka MJ. CRISPR J. 2025-02-28. https://doi.org/10.1089/crispr.2024.0074 [著者所属] U North Carolina at Chapel Hill (Curriculum in Genetics and Molecular Biology, UNC Neuroscience Center, Proteomics Core Facility, Dept Pharmacology, Dept Cell Biology and Physiology)
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