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2025-10-28 Nuceic Acids Research 誌査読論文の書誌情報を追記
CRISPR-Cas12a REC2–Nuc interactions drive target-strand cleavage and constrain trans cleavage”Newman A, Saha A, Starrs L, Arantes PR, Palermo G, Burgio G. Nucleic Acids Research, Volume 53, Issue 18, 14 October 2025. https://doi.org/10.1093/nar/gkaf988
2025-03-30 bioRxiv 投稿に準拠した初稿
 CRISPR-Cas12a は、ガイドRNA (crRNA) に誘導されて標的のdsDNAをシスで切断し、続いて、トランスで非特異的に ssDNA を切断し、この標的dsDNAは、トランス切断活性(コラテラル活性)のアクチベーターと呼ばれる。標的dsDNA切断の活性は、さまざまな生物のゲノム編集に利用され、ssDNAのトランス切断は高性能なDNA検出に利用されている。

 CRISPR-Cas12aのシスおよびトランス切断のメカニズムは、一連のオーソログ全体において一貫していると考えられる一方で、ゲノム編集とDNA検出に展開された場合に、有効性がオーソログ間で大きく変動することが知られている。この変動がよってきたるメカニズムを明らかすれば、環境DNAのサンプリングやメタゲノム・ゲノムのデータベースから豊富な Cas12a 遺伝子を入手でき、さらに de novo 設計も可能な状況において、これまでにない高性能なCas12aヌクレアーゼを発見または設計する可能性が高まる。

 オーソログ間の変動の要因を明らかにすることを目的として、オーストラリア国立大学とカリフォルニア大学リバーサイド校の研究チームが今回 Acidaminococcus sp. BV3L6 (AsCas12a)、Lachnospiraceae ND2006 (LbCas12a)、および Francisella tularensis subsp. novicida (FnCas12a) の 3種類のよく特徴付けられた Cas12a オーソログの比較研究を行った。 

 ヒト細胞株におけるゲノム編集活性は、さまざまなPAMとターゲットサイトにわたって、AsCas12aとLbCas12aによる編集が、FnCas12aよりも堅牢である。トランス切断活性については、LbCas12aの方がAsCas12aやFnCas12aよりも堅牢である。AsCas12a、LbCas12a、およびFnCas12aは、高い構造類似性(RMSD < 3Å)を持つが、配列類似性は50%未満である。標的DNA切断のメカニズムは共通していることから、応用展開で見られる有効性の違いは、オーソログ間のわずかに異なるアミノ酸配列に由来すると考えられる。

 この仮説を検証するため、研究チームは、REC2 ドメインと NUC ドメインに変異を生じさせ、DNA 切断の速度論を駆動する要素を探索し、その結果、NUC ドメインと REC2 ドメイン間にわたる構造要素であり、これまで特徴づけられていなかった「NUC ループ」を特定した。

 NUCループは Cas12a の相同遺伝子全体に存在しているが、長さとアミノ酸配列は大きく異なる。さらに、実験的に決定された Cas12a の構造のほとんどで NUC ループが解明されていないことから、NUCループは常に動的である可能性が示唆される。
[注] 最近、クライオ電顕によりAcidaminococcus sp. Cas12aにおけるNUCループが捉えられた [crisp_bio 2025-03-30 CRISPR-Cas12aの極めて柔軟なドメインが, Rループの形成を誘導し, 非標的鎖に続く標的鎖の切断に向けてRuvCのコンフォメーションをリセットする]

 CRISPR–Cas12a REC2–NUC 6 日FnCas12a、LbCas12a、AsCas12aを対象に、REC2 および NUC ループ変異体のシス-とトランス-切断、大腸菌でのプラスミド変換阻害、および、ヒト細胞株における遺伝子編集の能力を比較評価した。その結果、REC2「ゲート」と NUC ループの相互作用によって駆動される NTS、TS、およびトランス切断の間のトレードオフが見えてきた [Figure 6引用右図参照]

 続いて、NUC ループの動的な役割を解明するために、CRISPR–Cas12a REC2–NUC 5日分子動力学シミュレーションを実施し、Cas12a オーソログ間の REC2 – NUC ダイナミクスの特性を比較した [Fgiure 5引用右図参照]。最近のクライオ電顕で再構成された構造と分子動力学シミュレーションの結果を総合することで、NUC ループが REC2 および crRNA-TS ヘテロ二本鎖と動的に相互作用することが見えてきた。さらに、REC2 – NUC の距離分布に大きな違いがあることも明らかになった。この知見は、DNA 触媒をアロステリックに活性化する効率の違いを裏付けるものと考えられる。

  こうして、in vitro、in vivo、および in silico 解析により、ゲノム編集からCRISPR Dxまで広く利用されているCas12a オーソログそれぞれの機能を駆動するメカニズムの違いが浮き彫りにされた。

[出典] "CRISPR–Cas12a REC2–NUC interactions drive target-strand cleavage and constrain trans cleavage" Newman A [..] Burgio G. bioRxiv 2025-03-25 (preprint). https://doi.org/10.1101/2025.03.23.644851 [著者所属] The Australian National U (The Shine-Dalgarno Centre for RNA Innovation), U California Riverside (Dept Bioengineering, Dept Chemistry) 
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