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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

 医薬品開発を目的とするAIの展開に対する最大のボトルネックは、より大規模で多様なデータを必要としているところにある。AlphaFoldの最新バージョンAlphaFold3は、タンパク質と他の分子との相互作用のモデル化を可能にした。しかし、AlphaFoldが準拠しているデータはPDBで公開されている数十万のタンパク質構造であり、創薬に必須のタンパク質とリガンドの構造データが稀であり、また、そうしたデータはパプリックに入手可能なデータも限られている。そこで、大手の製薬会社などが、AI Structural Biology Consortium(AISB)を立ち上げた。AISBは、自社独自のタンパク質とリガンドのデータを加えた上で、AlphaFold3のオープンソース版であるOpenFoldの最新版OpenFold3 (4月公開予定) を、Apheris 社が提供する連合学習(federated learning)のプラットフォーム上でトレーニングする計画である。

 AISBコンソーシウムには現時点で、AbbVie、Johnson & Johnson、Sanofi、Boehringer Ingelheim などが加わっているが、メンバーはこれまで独自に蓄積してきた自社のデータと知識だけでなく、全てのメンバーからのデータと知識を利用することが可能になる [AbbVieはすでに9,000件のデータを提供している]。AISBは、現時点では、新規メンバーを募集しているが、NovartisとEli Lillyなどは、Google DeepMindのスピンオフ企業であるIsomorphic LabsとAlphaFold3をベースとする創薬AIに取り組んでいる。

[出典] 
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