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 著者らは、体細胞突然変異をがんの表現型および癌の進行に結び付ける「体細胞突然変異理論 ( somatic mutation theory: SMT」を「がんの遺伝的パラダイム」と呼んでいる。すなわち、正常な細胞のゲノムにランダムに発生する突然変異が、細胞集団の中で、その細胞の「適応度」を相対的に高め、その後、細胞集団の自然選択により、「より適応度の高い」表現型をもたらす突然変異を持つ細胞がクローン的に拡大し、最終的に「最も適応度の高い」クローン(単一細胞から派生)が集団を支配する(がん組織として確立される)とする考え方である。
 
 ここで、著者らは「SMTと矛盾する腫瘍ゲノム解析結果が存在する」と主張する。 Tables 1 ‘Paradoxical’ findings regarding the genetic paradigm of cancer uncovered by sequencing technology には「一部の腫瘍ゲノムは、再発性で特徴的な異常な表現型にもかかわらず、再発性のゲノム変異をほとんどまたは全く示さない」といった事象が8例挙げられている。

 その上で、著者らはSMTの枠組みに見られるおける矛盾を解きほぐすことを可能にする遺伝子ネットワークの摂動とその組織形成への影響をベースにする概念を提唱する [Fig 1引用左下図とFig 2引用右下図参照]
The end of the genetic paradigm of cancer 1 The end of the genetic paradigm of cancer 2
[出典] "The end of the genetic paradigm of cancer" Huang S, Soto AM, Sonnenschein C. PLoS Biology. 2025-03-18. https://doi.org/10.1371/journal.pbio.3003052 [著者所属] Institute for Systems Biology (Seattle), Tufts U School of Medicine.
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