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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

 地球温暖化は、家畜の熱ストレス・リスクの増大により、持続可能で人道的な食糧生産にとって大きな課題となっている。2025-04-04 19.50.31米、トルコ、メキシコの産学共同研究チームが今回、プロラクチン受容体 (PRLR) 遺伝子に、遺伝子編集によって熱耐性を付与する突然変異を導入することで、熱ストレスに対する牛の抵抗力を高めることに成功した [グラフィカルアブストラクト引用右図参照]

 南米と中米のいくつかのウシの集団は、PRLR の自然突然変異を有しており、影響を受けた動物は毛が短く、熱耐性がある。研究チームは、CRISPR/Cas9 技術を使用して、アンガス牛とジャージー牛という 2 つの熱に敏感な牛の品種に PRLR の変異体を導入した。

 遺伝子編集されたウシは、遺伝子編集されていない動物と比較して、膣温度 (未経産牛) と直腸温度 (雄牛) を調節する優れた能力を示した。さらに、遺伝子編集されたウシは優れた成長特性を示し、陰嚢周囲径が拡大した。致死性や雄の生殖機能に悪影響を及ぼす傾向は見られなかった。

[出典] "Consequences of gene editing of PRLR on thermotolerance, growth, and male reproduction in cattle" Cuellar CJ [..] Hansen PJ. FASEB Bioadv. 2024-06-18.
https://doi.org/10.1096/fba.2024-00029 [著者所属] U Florida, U Wyoming, U Bursa (Turkey), Recombinetics, Acceligen, The Semex Alliance, Campo Experimental Centro Altos De Jalisco (Mexico)
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