米国食品医薬品局(FDA)が鎌状赤血球症および輸血依存性ベータサラセミアに対する初の遺伝子編集療法CASGEVY™を最近承認したことは、これまで治療不可能と考えられていた遺伝性疾患の患者を治療する上での CRISPR技術の計り知れない可能性を示した。
生体外(ex vivo)遺伝子編集アプローチは大きく進歩したが、生体内(in vivo)CRISPR/Cas 遺伝子編集療法の開発は、極めて効率的で特異的な in vivo 送達に未だ大きな課題があり、生体外アプローチに遅れをとっている。
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターは、治療用トランスジーンやその他のカーゴを送達するための媒体として臨床試験で大きな期待が寄せられているが、その送達に関して多くの制約に直面している。
ライス大学とベイラー医科大学の研究チームが今回、送達に関する課題を明らかにし、AAV パッケージ CRISPR/Cas システム(AAV-CRISPR)の効率、特異性、安全性プロファイルを改善して臨床的有用性を高めることを目的とした最新のエンジニアリング戦略を論じた。
[出典] Review "Engineering adeno-associated viral vectors for CRISPR/Cas based in vivo therapeutic genome editing" Moyo B, Brown LBC, Khondaker II, Bao G. Biomaterials. 2025-04-02. https://doi.org/10.1016/j.biomaterials.2025.123314 [著者所属] Rice U (Dept Bioengineering, Synthetic, and Physical Biology), Baylor College of Medicine (Medical Scientist Training Program);グラフィカルアブストラクト
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