2025-04-25 Julia Bauman博士 (Explaining cool biotech to the world here (X) and @ 60_SecondScience on TikTok)の解説ビデオをリンク
2025-04-14 初稿
[注] 非LTRレトロトランスポゾン
I've been waiting for the day I could make this video!
— Julia Bauman (@JuliaBauman2) April 23, 2025
Retrotransposons are reprogrammed for pretty efficient gene insertion up to 12.7kb in user-defined genomic targets. Small deletion + insertion possible too.
Awesome work from @jgooten @omarabudayyeh @ChrisWFell… pic.twitter.com/XYvmFt4h1n
2025-04-14 初稿
[注] 非LTRレトロトランスポゾン
- DNAトランスポゾンとレトロトランスポゾンの2つの大まかなクラスに分けられる。DNA トランスポゾンはカット&ペースト機構によって複製するのに対し、レトロトランスポゾンは RNA 中間体を介してDNAに変換するコピー&ペースト機構をとる。
- レトロトランスポゾンはさらに、長い末端反復配列(long terminal repeat: LTR)レトロトランスポゾンと非 LTR レトロトランスポゾンに分類される。 LTRレトロトランスポゾンは、その構造と機構がレトロウイルスに類似している。非LTRレトロトランスポゾン(LINE ( long interspersed nuclear element)、ポリAレトロトランスポゾン、またはターゲットプライム(TP)レトロトランスポゾンとも呼ばれる)は、LTRを含まず、代わりにmRNAが組み込まれたような構造をとる。
- 非LTRレトロトランスポゾンこれらは真核生物ゲノム中に数億年にわたって存在してきた古代の遺伝要素であり、ヒトゲノム中での増殖に成功したことで最もよく知られている。
- 非LTRレトロトランスポゾンは非自律的要素(例えば、短鎖散在性転座因子(SINE (Short interspersed nuclear element))に寄生されることもあるが、本研究では、自己移動に必要なタンパク質機構をコードする自律的要素に焦点が当てられた。
レトロエレメントは真核生物ゲノムを形作るのに重要な役割を果たしてきた。例えば、部位特異的な非LTRレトロトランスポゾン(non-long terminal repeat: nLTR)は、マイクロサテライト領域やリボソームDNA遺伝子などの反復ゲノム配列への優先的な組み込みを通じて広く拡散している。これらのシステムは広く出現しているにもかかわらず、その標的化を定義する機構は依然として不明である。
本研究では、計算パイプラインを用いて複数の新規部位特異的レトロトランスポゾンファミリーを発見し [Fig. 1参照]、そのメンバーを生化学的および哺乳類細胞においてプロファイリングし、これまで知られていなかった挿入選好性を発見し、レトロトランスポゾンのリターゲッティング(retargeting)を実現した。
まず、キンカチョウ(Taeniopygia guttata )由来のR2レトロトランスポゾンであるR2Tg が、ペイロード・エンジニアリングによって標的切断、逆転写、および新たなゲノム部位への異種ペイロードのスカーレスな挿入といったゲノム編集を可能にする相同遺伝子であることを発見した [Fig. 2とFig. 3参照]。
さらに、R2オーソログをスクリーニングした結果、自然な再プログラム化が可能で、自然な28S部位への挿入が最小限であるオーソログR2Toccを選択し、SpCas9H840A-R2Tocc を設計し、このシステムを、STITCHR (site-specific target-primed insertion through targeted CRISPR homing of retroelements) と命名した。
STITCHRは、1塩基から12.7キロベースまでの編集、遺伝子置換、in vitro転写または合成RNAテンプレートの使用を、スカーレスかつ効率的に統合することを可能にする。
真核生物ゲノム全体に広がっているnLTRレトロトランスポゾンに着想を得、CRISPR-Cas9システムで強化したSTITCHRは、研究と治療の両方の用途で、分裂細胞と非分裂細胞においてスカーレスなプログラム可能な統合のプラットフォームとして機能すると期待される。
[出典] "Reprogramming site-specific retrotransposon activity to new DNA sites" Fell CW [..] Abudayyeh OO, Gootenberg JS. Nature 2025-04-09. https://doi.org/10.1038/s41586-025-08877-4 [著者所属] Harvard Medical School (Dept Medicine, Center for Virology and Vaccine Research), Mass General Brigham (Gene and Cell Therapy Institute), McGovern Institute for Brain Research at MIT, 東大 (先端研), 稲森財団, Integrated DNA Technologies
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