タイプIII-E CRISPR-Casエフェクターは、Cas7-11またはGRAMP(Giant Repeat-Associated Mysterious Protein)とも呼ばれ、Csm複合体やCmr複合体など他のタイプIII CRISPR-Casエフェクターと異なり、非特異的なコラテラル切断なしに標的RNA(tgRNA)を切断する単一タンパク質であり、RNA編集の新たな可能性を切り開く。
UCSDの研究チームが今回、生化学アッセイとアミド水素重水素交換質量分析(HDX-MS)実験を組み合わせることで、標題のアポCas7-11の動態を明らかにした 。
CRISPR RNA(crRNA)がタンパク質の折り畳み状態を安定化し、その後tgRNAが結合して活性型にリモデリングするメカニズムを示唆した [グラフィカルアブストラクト引用右図参照]。- 4つのCas7 RNA認識モチーフ(RRM)は然るべくフォールドされているが、crRNAが存在しない場合は、その他のタンパク質の大部分フォールディングの程度が低い。具体的には、Cas7.2/Cas7.3活性部位のβヘアピンや変性している (disordered) 触媒ループが、crRNA結合時にはじめて然るべくフォールディングする。

- こうしたcrRNA結合後のフォールディングを経て、ドメイン間インターフェースでの相互作用が強化され、Cas7.1プロセシング部位が折り畳まれる [Cas7-11の構成と構造について、Figure 1引用右図参照]。
- 続いて、TgRNAの結合によって、Cas7.2およびCas7.3の触媒ループ周辺の構造変化が進行する。
- Cas7-11はCRISPRアレイを単独では処理できず、部分的に処理されたcrRNAの結合はCas7-11に複数の状態を誘導し、tgRNAの切断を減少させる。一方で、挿入ドメインは成熟crRNAと最も安定的に相互作用する。
- HDX-MSデータから、TPR-CHATへの結合を担う領域など、これまでの構造解析では解明されていなかったCas7-11の領域が明らかになった。
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