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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

1. 新たな培養技術を開発することで, 代謝機能を備えたヒト成人肝細胞オルガノイドを生成
[注] この成果については慶應大学から詳細な日本語解説 [*] が公開されている。ここでは以下の2点を書き込んでおく:
  • ヒト化マウス(TKーNOGマウス)に移植された乳幼児由来のヒト肝細胞オルガノイド(human hepatocyte organoids: HHOs)は、生着し、肝細胞を置き換え、肝臓機能を回復し、HHOsの再生医療への展開の可能性が示された。
  • 先天性代謝性疾患の一つである OTC 欠損症の肝細胞オルガノイドをCRISPR-Cas9 KOにより作成し、試験管内で遺伝的肝疾患の病態を再現し、HHOが肝臓疾患モデルのベースになることが示された。
[出典] 
2. ヒト多能性幹細胞由来のマルチゾーン肝臓オルガノイド 

 肝臓は、解糖と糖新生、脂質生成と脂肪酸酸化、タンパク質合成、異物分解など、幅広い機能を持つ多面的な臓器である。これらの多様で複雑な機能は、中心静脈から門脈までの近さに基づいて、ゾーン1、2、3の肝細胞と呼ばれる領域に区画化され、空間的に明確に分離されている。

 その中で、門脈-中心軸に沿って空間的に分離されている明確な肝細胞サブポピュレーションが、肝臓における代謝恒常性と障害を理解する上で極めて重要である。アスコルビン酸やビリルビンを含むいくつかの生理活性分子が、肝細胞ゾーンの運命決定に関与することが報告されているものの、肝細胞ゾーン構造はin vitroにおいて未だ再現されていない。

 武部貴則教授(阪大、東京科学大, 横浜市立大, シンシナティ小児病院)が率いる日米の研究チームは、肝細胞ゾーンの極性を評価するため、ヒト人iPS細胞由来のアスコルビン酸およびビリルビンを豊富に含む肝前駆細胞を共培養することにより、自己組織化型肝細胞オルガノイドを作製した [Fig.1 参照]。こうして得られた肝細胞様細胞は、尿素回路、グルタチオン合成、およびグルタミン酸合成に関連するゾーン特異的な機能を示した。

 これらのゾーンパターンを有するオルガノイドの単核RNAシークエンシング解析により、門脈周囲、ゾーン間、中心周囲におけるヒト肝細胞を規定する肝芽細胞分化の軌跡が明らかになった。エピジェネティック解析およびトランスクリプトーム解析により、ゾーンのアイデンティティは、アスコルビン酸またはビリルビン依存性のEP300とTET1またはHIF1αの結合によって調整されることが示された。

 自己組織化されたゾーンパターンを有するヒトオルガノイドの移植により、高アンモニア血症および高ビリルビン血症が改善し、胆管結紮術を受けた免疫不全ラットの生存率が向上した。

 本研究で生成されたマルチゾーンオルガノイドシステムは、肝臓の発達および疾患に関連する肝臓構造をより良く再現するためのin vitroヒトモデ​​ルとして機能する。

[出典] "Multi-zonal liver organoids from human pluripotent stem cells" Reza HA [..] Takebe T. Nature 2025-04-16. https://doi.org/10.1038/s41586-025-08850-1 [著者所属]  Cincinnati Children’s Hospital Medical Center, 東京科学大学総合研究院, 阪大ヒューマン・メタバース疾患研究拠点 (PRIMe) ゲノム生物学講座器官システム創生学, 横浜市立大先端医学センター
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