2025-08-11 各種学術誌でのハイライト記事へのリンクを以下に追記:
2025-05-10 初稿
スタンフォード大学のW.E. MoernerとLei S. Qiが率いる研究チームは、初代培養細胞を含む多様な細胞種において、反復遺伝子座と非反復遺伝子座の双方を高い時空間分解能でリアルタイムで追跡可能とする手法"Oligo-LiveFISH"を開発した [グラフィカルアブストラクト参照]。
- SPOTLIGHT "Visualizing chromatin communication in living cells through Oligo-LiveFISH" Conte M, Nicodemi M. Cell Rep Methods. 2025-07-16;
Figure 1を右図に引用 - Research Highlight "Enhancing CRISPR DNA imaging" Tang L. Nat Methods. 2025-08-07.
スタンフォード大学のW.E. MoernerとLei S. Qiが率いる研究チームは、初代培養細胞を含む多様な細胞種において、反復遺伝子座と非反復遺伝子座の双方を高い時空間分解能でリアルタイムで追跡可能とする手法"Oligo-LiveFISH"を開発した [グラフィカルアブストラクト参照]。
Oligo-LiveFISHは、アルゴリズム、in vitro転写 (IVT) crRNA、および、汎用の蛍光標識tracrRNAを組み合わせることで、非反復性遺伝子座のイメージングに効果的なガイドRNA(gRNA)プールを設計・構築した。このgRNAプールは、dCas9とのリボ核タンパク質(RNP)として、細胞へと送達される。
機械学習を利用して、信号雑音比に影響を与える主要なパラメータを特徴づけ、細胞種を超えて多様な遺伝子座を可視化するためのgRNA設計原則を確立した。 Oligo-LiveFISHを3D超局在化(superlocalozatoin: SL)顕微鏡法と統合し、標識に多色を利用することで、非反復領域を20nmの空間分解能と50msの時間分解能で追跡することが可能になった。その結果、非整数ブラウン運動(fractional Brownian Motion: fBM)と一致する高度に亜拡散的なクロマチン運動の存在が明らかになった。
動的モデリングから、クロマチンDNAコミュニケーションには2つの異なるモードがあることが明らかになった。1つは短距離(最大300 kb)で優勢な1Dシス・コミュニケーション、もう1つは長距離(1 Mb以上)で顕著な3Dトランス・コミュニケーションである。
Oligo-LiveFISHイメージングの結果はHi-Cデータと一致し、かつ、単一細胞レベルでの動的なクロマチンDNAコミュニケーションに関する新たな知見を提供した。
さらに、Oligo-LiveFISHをエンハンサーとプロモーターのダイナミクスの研究に適用したところ、亜鉛でFOS 転写を刺激すると、FOS エンハンサーとプロモーター間の3D距離が著しく短くなり、移動の自由度が低下し(confinement)、エンハンサーとプロモーターの動きが遅くなることが、明らかになった。
Oligo-LiveFISHは、3Dゲノムダイナミクスと細胞プロセスおよび疾患との関連性を研究するための汎用性の高いプラットフォームを提供する。
[出典] "High-resolution dynamic imaging of chromatin DNA communication using Oligo-LiveFISH" Zhu Y [..] Moermer WE, Qi LS. Cell. 2025-04-15. https://doi.org/10.1016/j.cell.2025.03.032 [著者所属] Stanford U (Bioengineering, Chemistry, Chemical Engineering, Materials Science and Engineering, Sarafan ChEM-H, Biophysics PhD Program), Stanford U School of Medicine, Fred Hutchinson Cancer Center, Chan Zuckerberg Biohub
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