ヒトの脳は、誕生から死に至るまで、その物理的構成(構造的コネクティビティー)と異なる脳領域間の連携(機能的コネクティビティー)の両面において、大きく変化し進化することが知られている。この加齢に伴う脳の変化・進化を追跡し、理解することを目指して、中国と米国に英国、カナダ、オーストリアの研究機関と3つのコンソーシウムが加わった研究チームはまず、世界132か所の拠点からの32週から80歳までの33,250人を対象に、タスクフリーの機能的・構造的磁気共鳴イメージングデータを収集した。このデータの収集はHuman Connectome Project(HCP)、developing Human Connectome Project(dHCP)、そしてBaby Connectome Project(BCP)といった大規模プロジェクトの一環として収集された。
膨大なデータに対して、包括的なネットワークモデリング分析を実施し、複数のスケールにわたる機能コネクトームの非線形成長パターンを捉えた。まず、グローバル機能コネクトームの全体的なパターンにおける生涯成長を特徴付け、重要なライフコース・マイルストーンを明らかにした。次に、生涯にわたる連続的な年齢関連のシステムレベルのアトラスを構築し、さらに、これまで報告されていなかった脳システム全体の明確な成長パターンを捉えた。最後に、より細かい地域スケールでコネクトームの成長を支配する時空間原理を明らかにした。
興味深いことに、脳領域間の平均的なコミュニケーション強度を表す平均機能的コネクティビティーが40代後半にピークを迎える一方で、ネットワーク相互作用の多様性と特化を反映するコネクティビティーの変動は、30代後半にピークを迎えることが明らかになった。また、生涯にわたる局所的コネクティビティーの成長は、時空間皮質軸に沿って組織化され、一次感覚運動領域から高次連合領域へと移行することが明らかになった。
今回の解析は、生涯を通じて脳の様々な領域が機能分離と呼ばれるプロセスを通じて特定のタスクに特化していく時期を浮き彫りにする脳アトラスにもつながり、乳児期、小児期、青年期における重要な移行期、特に重要なスキルの習得や認知能力の変化に関連する時期も正確にマッピングされた。
これらの知見は、機能的コネクトームの生涯にわたる進化を解明するものであり、発達、老化、神経精神疾患における個人差を定量化する上での規範的な基準となり得る。
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[出典] "Human lifespan changes in the brain’s functional connectome" Sun L [..] Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative, DIDA-MDD Working Group, MCADI, He Y. Nat Neurosci. 2025-04-03. https://doi.org/10.1038/s41593-025-01907-4:State Key Laboratory of Cognitive Neuroscience & Learning (Beijing Normal University) を率いるYong He教授を責任著者とし、中国をはじめとして、米国、英国、カナダ、オーストリアからの研究者と、3つのコンソーシウム(Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative、DIDA-MDD Working GroupおよびMCADI)に属する研究者による成果
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