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2025-06-18 Nature Biotechnology 誌のニュース記事「裁判所がCRISPR特許係争を再燃させる」を引用
[出典] News in Brief "Court reignites CRISPR patent dispute" Nat Biotechnol. 2025-06-16. https://doi.org/10.1038/s41587-025-02717-6

 The Regents of the University of California, University of Vienna, およびEmmanulle Charpentier (以下、CVC)と、Broad Institute, MITおよびPresident and Fellows of Harvard College (以下、BMH)は、2012年からCRISPR-Cas9特許の所有権を争ってきた。2022年に特許審判所は、 CVCの研究者(Doudna博士とCharpentier博士)が真核細胞におけるCRISPR-Cas9遺伝子編集を初めて開発したグループ(Broad研究所のFeng Zhang博士らより約7か月前)であると判断した。しかし、当時は魚類の胚における遺伝子編集に苦労しており、動物細胞におけるCRISPR-Cas9の成功についても確信が持てなかった(... were uncertain of CRISPR–Cas9’s success in animal cells)一方で、Feng Zhang博士らは、CRISPR-Cas9編集がヒトおよびマウスの細胞で有効であることを示すデータを公表していたため、特許審判所はBMHに有利な判決を下した

 CVCは、特許審判所がCRISPR-Cas9編集を最初に発明した者ではなく、最初に使用した者に特許を付与したのは誤りであるとして、この決定に異議を唱えていた。今回、控訴裁判所はこれに同意し、特許審判所が動物細胞におけるこの技術の成功に関する科学者の不確実性(uncertainty)に誤って焦点を当てた(incorrectly focued)と述べた。控訴裁判所はまた、Doudna博士とCharpentier博士が発明の功績を認められるために (get credit for coneiving it)、発明が機能することを確信する必要はなかったと指摘した。重要なのは、DoudnaとCharpentierが発見したCRISPR-Cas9システムが、新たな大きな発見や実験なしに最終的に機能したことだとした [*]。

[*] crisp_bio注:2022年の裁定までの間、CRISPR-Cas9システムによる動物細胞でのゲノム編集は、CRISPR-Cas9システムの知識があれば普通(ordinary)の研究者にも自明(obvious)か否か、議論になったと記憶している [参考:crisp_bio 2017-05-02 CRISPR特許:USTPOの裁定に抗してUC控訴)。

2025-05-13 初稿
 USTPO(米国特許商標庁)は2022年に、Broad研究所とMITのFeng Zhangが率いる研究グループが、ノーベル賞を受賞したJennifer DoudnaとEmmanuelle Charpentierが率いる研究グループに先んじて、CRISPR遺伝子編集技術のヒトへの応用を考案していたと判断していた。

 USTPOの裁定に抗するカリフォルニア大学とウイーン大学からのアピールを審査していた米国連邦巡回控訴裁判所 (U.S. Court of Appeals for the Federal Circuit) は、2025年5月12日に「USTPOは特許の概念に関する連邦法を誤って適用していた」として、この案件を、USTPOの特許審判部に差し戻した。

 なお、現時点では、2022年のUSTPOの裁定が有効である。

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